日本婦人科腫瘍学会雑誌
Online ISSN : 2436-8156
Print ISSN : 1347-8559
症例報告
アロマターゼ阻害薬とGnRH作動薬の併用療法が奏効した手術困難な再発顆粒膜細胞腫の2例
福原 健田中 優佐伯 綾香黒田 亮介西村 智樹伊藤 拓馬加藤 慧清川 晶堀川 直城楠本 知行板倉 淳哉
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2024 年 42 巻 1 号 p. 22-28

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抄録

概要:卵巣顆粒膜細胞腫は悪性卵巣腫瘍の約5%を占めるまれな病態である.手術療法が主流だが再発例も少なくない.手術,化学療法,放射線治療には限界があり,再発例に対する最適な治療法は確立していない.今回,手術困難な再発顆粒膜細胞腫に対して,アロマターゼ阻害薬とGnRH作動薬の併用療法が奏効した2例を報告する.本治療は倫理委員会の承認と患者の同意を得ている.症例1は56歳で,再発顆粒膜細胞腫に対して2回の手術を行ったが,強い腹腔内癒着のため腸管損傷をきたした.その後の再発にアロマターゼ阻害薬単剤によるホルモン療法を行うも奏効しなかった.TC+ベバシズマブ投与も奏効せず,長期的な腫瘍のコントロールを目指して再度ホルモン療法としてアロマターゼ阻害薬とGnRH作動薬の併用を行ったところ奏効(complete response)した.症例2は84歳で,再発顆粒膜細胞腫に対して,2回の手術と化学療法を施行し,最終の手術では腹腔内の強い癒着を認めた.その後再発したためアロマターゼ阻害薬単剤投与,weekly TC療法を行うも奏効せず,再度ホルモン療法として,アロマターゼ阻害薬とGnRH作動薬の併用を行ったところ奏効(partial response)した.2例とも2剤による化学療法を継続中である.

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© 2024 日本婦人科腫瘍学会
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