日本婦人科腫瘍学会雑誌
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症例報告
完全子宮脱に合併した腟癌に対して放射線治療を施行した1例
清瀬 愛古野 敦子佐藤 理穂橋本 彩紗
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2025 年 43 巻 3 号 p. 109-115

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抄録

概要:腟癌は婦人科悪性腫瘍の1~2%と稀な癌である.今回我々は,完全子宮脱に合併した腟癌に対して放射線治療を施行した1例を経験したので報告する.症例は81歳,4妊2産,合併症に常染色体優性多発性嚢胞腎があり,人工透析導入中であった.子宮脱に対しペッサリーを挿入したが,脱落を繰り返した.骨盤内には腎嚢胞が充満しており,外科的治療にはリスクがあると考え経過観察とした.その17カ月後,腟下部1/3に3×2×1 cm,1×1×1 cmの腫瘍を認めた.組織診を施行しSquamous cell carcinoma,原発性腟癌I期(T1N0M0)と診断した.外科的切除は他臓器損傷のリスクが高く,放射線療法を選択した.完全子宮脱であり,膀胱と直腸も一塊となっているため,10×10 cmの範囲を照射野とし,ボーラス5 mm,9 MeV電子線を使用し外照射を施行した.前方1門照射,1回2.5 Gy,20回,総線量50 Gyを照射し,粘膜炎Grade 1を認めたが,その他明らかな副作用なく治療は終了した.完全子宮脱に合併した腟癌に対して,電子線,ボーラスを使用することで,大きな有害事象なく放射線治療を施行することが可能であった.

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