2026 年 44 巻 2 号 p. 179-185
概要:再発子宮体癌は一般的に根治困難なことが多く,孤発再発の場合は手術や放射線治療が治療選択肢となるが,より根治性の高い治療が模索されている.今回,子宮体癌術後および補助化学療法後の骨盤内孤発再発病変に対し,炭素イオン線治療を行った症例を経験した.症例は40歳代女性で,子宮体癌IIIC2期(FIGO2008分類)に根治手術と術後化学療法が行われた.治療終了後6カ月目に水腎症を伴う左内腸骨リンパ節再発が確認され,炭素イオン線治療52.8 Gy/12回(物理線量に生物学的効果比(RBE)を乗じたRBE荷重線量)が行われた.その後,腫瘍縮小と共に水腎症は改善し,重篤な晩期合併症を発生することなく,12年間臨床的無病状態を維持している.炭素イオン線治療は,再発子宮体癌に対して長期間の局所制御が得られる可能性があり,救済療法の一つとなり得る.本症例は,長期経過において尿管狭窄は生じておらず,本症例のような尿管近接病変に対しても炭素イオン線治療は可能であることが示唆された.