2025 年 41 巻 2 号 p. 1
ロボット手術の弱点を挙げるとすると、1番はInstrumentが高コストであることであると考えられる。我々はコスト節約の対策として、「Dual Force Bipolar法」を用いたロボット手術を行なっている。この手技の特徴や工夫、成績について報告する。
Force Bipolarとは2つのモードを使い分けることで、BipolarとしてもNeedle DriverとしてもRetraction armとしても用いることが可能となるInstrumentである。当科のロボット手術はda Vinci XiもしくはXで(1)Force Bipolar、(2)Endoscope、(3)Monopolar Scissors、(4)ProGrasp Forcepsおよび助手の補助ポートの5 portで行い、縫合時に(3)をNeedle Driverに入れ換えて行っていたが、コスト節約のために(4)もForce Bipolarとして、縫合時にInstrumentを入れ換えずに(1)(4)で縫合する方法へ変更した。左右ともにBipolarで行うことで、右上部靭帯・右基靭帯の処理なども従来法よりも容易に処理可能となったが、注意点として、踏み間違いによる誤焼灼には注意が必要である。この方法開始以降の同一術者の良性RASH/RSCではほとんどの症例(RASH94%,RSC89%)で完遂可能であり、手術成績も従来法と同等で、合併症も認めず、また一般的なTLH/LSCよりも消耗品のコストを低く抑えることが可能であった。またInstrumentを入れ換えずに手術完遂可能であることから助手負担の軽減や入れ換え時特有の他臓器損傷などの合併症がないことも利点の1つである。「Dual Force Bipolar法」により、低コスト・高完成度・高安全性のda Vinci手術が可能となりうる。