2025 年 8 巻 3 号 p. 45-57
「日本版抗コリン薬リスクスケール」が日本老年薬学会より発表されてから1年が経過し,様々な薬剤の持つ抗コリン作用が注目され,臨床や研究に活用されている.以前我々は,in vitroでのムスカリン受容体への結合活性を基に作成された「山田分類」と「日本版抗コリン薬リスクスケール」との間で差異のある薬剤に注目して,ムスカリン受容体を直接拮抗する作用のない薬剤のもつ「抗コリン様作用」についての機序を推察する報告をしたが,そこではスコア2以上の薬剤に注目しており,スコア1の薬剤には焦点を当てなかった.しかし,スコア1の薬剤においても,なぜこの薬剤が抗コリン様作用を持つかについて想定が難しい薬剤が数多く存在することから,今回スコア1の抗コリンリスクを持つ薬剤の想定される抗コリン様作用について文献的考察を行った.