抄録
製図学習の初期段階にある学生に立体の描画の誤りが見ら
れる.学生にとって,投影法の意味や表現を理解していても
立体を正しく認識し描くことは難しいと思われる.立体を描
くためには実在しない形状を想像し,別な角度から見た姿を
考えなければならない.こうした作業は頭の中で行われるた
め誤りがあっても発見しにくく,自らの間違いに気がつきに
くい.こうしたことから,本研究では自らの行動を客観的に
見るメタ認知学習の方法を製図の学習に取り入れ調査を行っ
た.メタ認知学習は主としてスポーツなどの学習に用いられ
ている.1週間の学習で被験者の図形の描き方の一部に変化
が見られた.このことからメタ認知を活用した学習は図形描
画の教育に部分的に効果があるのではないかと思われる.