抄録
人が写真を見る際の注視行動の特性を考慮に入れ,イメージ間のリンケージを示すイメージリテラシー・ツールを開発することを目的とする.ツールは3つのリンケージから成り立っている.一つ目は,異なる特徴,異なる写真の範囲による多様なイメージのリンケージ,二つ目は,注視範囲の共通性や相違性によるリンケージ,三つ目は,ユーザが選択し辿って行った写真のヒストリーによるリンケージである.
イメージリテラシー・ツールの実証実験を,長時間使用,短時間使用,不使用の3つのグループに分け行った.その後,アンケートへの回答と,スクリーンに映った2枚の写真を見ながら自由記述のレポートを作成してもらった.
アンケートの結果は,全体を通してほぼ肯定的な評価が得られた.レポートの評価と分析から,鑑賞経験や美術教育の有無に関わらず,イメージリテラシー・ツールを使用することによって,イメージ間のリンケージへの意識が高まったことを示唆する結果が得られた.