図学研究
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研究論文
2つの空間曲線間に可展面を生成し統一的に展開する方法について
─微分幾何学による検討─
有馬 修
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 54 巻 2 号 p. 3-

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抄録

 この報告は,2つの空間曲線の間に可展面を生成し,1つの展開式で統一的に展開図を作成する方法を記した.
 線織面において接平面を持つことは,可展面であることと同値である.そこで,2つの空間曲線間に可展面になるように母線を決定出来れば,そのようにして生成された可展面を一般化された展開式を使って展開図を作成する.
 本法では,曲面の種類を論じることなく統一的に展開図を得ることが出来る.特に主張しておくべきことは,この展開式が可展面以外の曲面を描くことがあったとしても,2つの空間曲線間に生成された曲面は可展面であることが保証されているため,可展面以外の線織面を描く可能性が理論上ないことである.
 2つの空間曲線が可展面を生成できなければ,必然的に展開図は得られない.けれども,接平面が存在するかどうかは複雑な計算をしなくても感覚的にイメージできるため展開できるかどうかは容易に判断しうる.

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© 2020 日本図学会
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