図学研究
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研究論文
宗達《風神雷神図屏風》構成手法からの考察
鈴木 公洋
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キーワード: 造形論, 屏風絵, 構成手法
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2023 年 57 巻 2 号 p. 3-8

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抄録
 宗達《風神雷神図屏風》について構成手法から考察した.先ず屏風絵の特徴を生かした構成手法について確認した.その結果,《風神雷神図屏風》には屏風絵の凹凸を生かした構成手法と絵を並べることを生かした構成手法があることが確認された.またこれらの手法は,扇絵と同じあるいは共通すると考えられた.水尾が指摘した扇面画の手法を含めると《風神雷神図屏風》は宗達が「俵屋」の絵師として身につけた扇面画,扇絵,屏風絵の構成手法が全て生かされていると考えられる.次に確認された構成手法から《風神雷神図屏風》について考察した.その結果,風神と雷神に複数の対義を表現していると考えられた.また宗達の扇面画で確認されている余白を生かした構成手法が用いられていると考えられた.さらに《風神雷神図屏風》の原画,構成の過程,二曲一双が採用された理由について仮説が提起された.
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