抄録
設計の初期に設計者が悩むのは,設計者としての経験とバランス感覚に基づいて判断する要素である.経験豊富な設計者にとって,そのような要因は何の障害にもならない.しかし,若手設計者がそれらの要素をいくら考えても,解決策にたどり着くことが出来ないことが多い.新しい機械をつくるには機構の知識が必要になる.また,設計の感性を養うことも大切である.ここでの設計の感性とは,機構に関する広範な知識と経験の組み合わせに基づいて,不必要な複雑性を持たせることなく,バランスの取れた動きと力を組み込む能力を指す.本報は,新製品の設計を進める上で,さまざまな機構を素早く発想できる基本的な考え方などを若手設計者が有効に活用出来る内容について検討した.また,学習の実践例を紹介する研修教材を新たに開発した過程とその成果について述べる.