図学研究
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組立図の設計製図における立体図と分解立体図の活用方法に関する一考察
平野 重雄
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1998 年 32 巻 Supplement 号 p. 31-36

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抄録
機械設計製図教育は, 設計-ものづくりという工学の本質を, 最も直接的に教える教科であり, 工学教育全体にとっても極めて重要である.ここで, 特に大切なのは, 機械設計製図教育の全体を通して, 学生に総合化のための解析能力の育成, ものを思考し創造する能力の育成, もう一つは設計思考を伝達する手段のひとつである製図においては, 製品 (装置) を構成する各機構の要点を正確に捉える能力とものの形状を認識して的確に表現する能力の向上を図る教育をしなければならない.
この研究においては, いわゆる座学 (講義) ではなく体験教育である設計製図として, 図形認識能力の向上を意図した教育システムについて検討した.その内容は, 部品図を基に組立図を効率よく設計製図するために, 立体図と分解立体図を用いて設計思考を行う.そして, 分解立体図により構成部品の要素の内容や機能を把握するという教育である.提出された図面の評価と理解度の調査結果を分析したところ, 組立図を設計製図する際に, 対象製品の立体図と分解立体図を描き種々の検討を行うことの学習成果が顕著であることが分かり, その有用性が確かめられた.
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