図学研究
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建築の設計製図教育にとっての図法幾何学あるいは図学教育
加藤 道夫
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2000 年 34 巻 2 号 p. 27-32

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抄録

本研究は, 建築の設計教育との関連から図学教育について3つの側面から分析した.第1は, 過去の図学教育, 特に烏口使用に由来する心情的拒否反応である.第2は設計の実務との直接連関の欠如である.第3は特定の基準にのみ従った製図技法の教育は, 創造教育の妨げになるというものである.以上の3つの側面からの分析の結果をまとめると以下のようになる.1) 心情的拒否反応については, 負の遺産として真摯に受け止め, 今後の教育の中で払拭していかなければならない.2) 設計の実務との直接連関の欠如については, 設計と図的表現の関係が改めて考えられねばならない.3) 創造教育の阻害という観点からは, 図法幾何学が立体の特殊な捉え方にすぎないことを認識し, 多元的な見方を導入する方向で教育プログラムを再編することが求められる.

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© 日本図学会
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