2001 年 35 巻 1 号 p. 3-8
距離画像の解析により多面体の3次元形状を計測することを目的としている.このための初期段階として画像から物体の構成面を分離して抽出すること, すなわち, 領域分割処理を扱う.初期領域の形成にあたってはディジタル面 (DNP) パターンの適合による手法を採用する.個々のDNPパターンの面検出に対する寄与をまず検討した.この検討に基づいて, 面の検出に有効と考えられるDNPパターンのみを採用して核領域を形成し, これらを基にして計測対象物体の構成面に対応する領域へ分割した.この段階の処理にしきい値に基づく領域拡張法, および, エッジ検出法と領域拡張法とを統合したニューラルネットワーク (NN) による方法とを用い, これらの結果を比較・検討した.NNによる方法は, カラー画像に対して提案された動的領域分割法であるが, 性質の異なる距離画像の領域分割にも良好な結果を与え, 特にエッジ位置の特定に有効であることを示した.