図学研究
Online ISSN : 1884-6106
Print ISSN : 0387-5512
ISSN-L : 0387-5512
動的コンテンツのMCT試験結果へ及ぼす効果の層別評価
佐久田 博司蒔野 雄介武士俣 貞助二宮 理憙
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 37 巻 Supplement1 号 p. 111-114

詳細
抄録

本研究は, 1999年より本年度まで, 同一条件の実験環境において, 年度毎にほぼ同一人数の, 同じ学年と学科に対して行ったMCT実験を基にして, 動的な画像コンテンツによる図形認知の学習に対する効果を検討したものである.4年間の継続実験の結果を総合し, 各条件群を層として比較した.その結果、各層別の以下の結論を得た.
3次元モデルを使用した動的CAI教材は, 図形認知能力の育成において効果的である.特に, 空間認識力のうち量的分析能力を育成, 曲線などを含んだ複雑な立体に対する三次元立体のイメージ生成力の育成に効果的である.効果は被験者層によって異なり, 図形に関する学習経験が豊富であったり, 空間認識能力を身に付けている被験者にとっては小さいが, 図形を認知する能力が十分に備わってない状態の被験者, または学習段階である被験者にはその効果が大きい.また、同時に脳電位計測実験を行い, 被験者の観察する図形と脳内電位の分布が対応付けられることが観察された.

著者関連情報
© 日本図学会
前の記事 次の記事
feedback
Top