図学研究
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歯車のNC加工のための3次元CAD
高 三徳桜井 俊明五十嵐 三武郎
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2003 年 37 巻 Supplement2 号 p. 37-42

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抄録
歯車は伝達部品として機械や電気製品に多く使用される。従来、標準歯車は2次元の設計図面とパラメータ表で表示され、ホブ盤などの専用歯切り盤で加工される。しかし、最近、ロボットやコンピュータとその周辺機械には、特殊または少量多種の複雑な歯車および歯つき部品の応用が多くなっているので、歯車のNC加工のための3次元CADが要求される。本研究では、通用のマシニングセンタを利用して歯車を加工するために、歯車の3次元CADについて、次の内容を主眼とした。 (1) 歯形の基礎理論およびインボリュート曲線のパラメトリック解析式。 (2) 短い線分または円弧でインボリュート曲線を補間する方法および歯数、モジュール、ねじれ角、基準ピッチ円上圧力、転位係数、トレランスなどのパラメータを入力として歯形曲線の作成。 (3) 歯形の垂直押出、指定点への押出、螺旋方向の押出、3次元形状集合演算などの方法により、平歯車、傘歯車、はすば歯車のソリッドモデルの作成。 (4) 面と面の交線、線と線の交点、線を点でのトリム、面を線でのトリム、体を面でのトリムなどを用いて空間的な任意の面取りなどの作業。 (5) 歯車のパラメトリック・フィーチャベースソリッドモデリング、スマートオブジェクトライブラリ作成、歯車のCAMの原理と手法。本研究の結果は株式会社アラオカの歯車のCAD/CAMに応用されている。3次元CADおよび通用のマシニングセンタでのNC加工は、特殊または少量多種の複雑な歯車の設計と製造に有効な手法であると思われる。
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© 日本図学会
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