図面による空間把握に関する知見を得るために, 住宅の平面図と透視図を用いた認識テストをおこなった。テストは平面図を与えて5個の選択肢の中から正解の透視図を一つ選択するテストと、透視図を与えて5個の選択肢の平面図から正解の平面図を一つ選択するテストである。まお、テストに用いた平面図、透視図は木造2階建である。はテストは2002年4月, 被験者はK大学建築学科の一年生とし, 第一回目の図学を受講した学生である。本テストの範囲内では, クラスによる得点差より, 問題の種類による得点差が認められること, サンプル数は少ないものの, 入試日程による得点差の可能性があること, 2次元から3次元あるいは3次元から2次元の図面を把握する手がかりは, 1, 2階の大きさや形, バルコニー, 玄関, 窓などの特徴的な要素に着目していることなどが明らかになった。