図学研究
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広重の絵画空間 (3)
―「名所江戸百景」における奇抜な構図の特質について―
神山 明
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キーワード: 造形論, 遠近法, 浮世絵, 広重
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2007 年 41 巻 Supplement1 号 p. 109-114

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抄録
歌川広重の「名所江戸百景」は, 広重最晩年の大作のシリーズものである.このシリーズについての多くの解説批評では「画面の奇抜さ」が特徴であると語られている.確かにこれらの作品を見るとき, 「奇抜さ」という印象を受けるのであるが, その「奇抜さ」の印象が, どこから来るのかという理由については, 印象は主観的なものであるために明確にしがたい感がある.また, 「奇抜さ」という言葉で語られる作品群であるが, その独特な画面構成とその効果については, 単純に「奇抜さ」を求めたのではない多様性があると思われる.本論では, このシリーズ108点全体を分析し, 「名所江戸百景」が生む「奇抜さ」の印象を背景を分析し, その構図の特質を考察する.
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