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Theodore J. BRANOFF
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
1-8
発行日: 2007年
公開日: 2010/11/19
ジャーナル
フリー
The last 30 years has seen some drastic changes in the field of engineering design graphics. In the United States, university programs have gone from courses focused on traditional drafting topics using only instrument drawing techniques to curricula designed around product lifecycle management and constraint-based solid modeling. This paper examines the current state of engineering design graphics in the United States by looking at middle school, high school, community college, and university program offerings and examples of student work.
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Bing-shu TONG
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
9-13
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
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Hellmuth STACHEL
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
15-20
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
The goal of my presentation is to explain what Descriptive Geometry is good for and in which way the Descriptive Geometry education is carried out in European countries.
By definition, Descriptive Geometry is a method to study 3D geometry through 2D images. It provides insight into structure and metrical properties of spatial objects, processes and principles. According to this, Descriptive Geometry courses in central Europe cover not only projection theory, but also modeling techniques for curves, surfaces, and solids thus offering insight into a broad variety of geometric shapes. ‘Learning by doing’ is an important methodological principle in this subject, and one traditional goal is to develop and to refine the students' problem-solving skills.
Drawings are the guide to geometry but not the main aim. As the drawing tools have drastically changed in the last 15 years, this had consequences for the Descriptive Geometry education. CAD packages replace manual drawings. This made the subject more interesting and attractive for pupils and students because they now can produce high-quality rendered graphics as output. Of course, this development takes place at the cost of the training in geometric reasoning.
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平野 重雄, 中澤 洋二
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
21-24
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
設計効率を求める, そしてその向上を図るには, 設計者の業務の進捗状況を把握して, 設計日程を管理統制することが必要になる.設計部門における日程管理はこと新しく必要となってきたものではなく, 全ての企業にとって当然必要な問題である.しかし, 設計とは創作活動であり, 時間的, 数値的な束縛を受けては, 優秀な機能を発揮する設計はできないと考えられており, その工数見積もりが難しいとされている.それでも現在のような企業競争の激化の時代, 設計者のツールが三次元CADになってきた現状においては, 設計日程管理がますます重要な位置を占めてきている.
本報は, 三次元CADをツールとして設計業務を進めている設計者の稼動の現状ならびにその業務内容を調査した.そして各種の実例資料などを基に, 設計日程管理の具体的方法について考察した.
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鈴木 康司, 桜井 俊明
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
25-28
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
ものづくりには設計する行為が必要である.設計には, 図面を画くこと, その図面を保証する計算や実験が必要となる。最近, 図面を画く作業にはコンピュータによる作業が主流である.大きく分けて2通りの設計手法が取られる.一つは従来構造の変更, 他方は新たな構造物の設計である.前者は多くの場合, 構造計算における設計変数の変更で計算される場合が多い.後者は新たな構造ゆえ, 正解は唯一とは限らない.計算を実行する立場から見れば, 前者にはCAD (Computer Aided Design) データが有り, 後者にはそれが存在しない状況にあるともいえる.ここでは, その2通りの設計における計算モデルについて考察する.
構造が複雑であったり, 多くの部品が組み合わされる場合にはCAE (Computer Aided Engineering) で計算を行うことが必要となり, この場合最適設計手法が重要となる, CADへのデータ変更を考慮しつつ, この2通りのモデリングについて種々検討する.さらにこれらの設計手法を構造物の最適形状を決定するために応用する.
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大村 勝
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
29-30
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
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コンカレントエンジニアにおける設計では、まず、設計段階において、CADからの3次元形状を表す座標から、非図形情報である各種の加工 (鋳造、塑性、接合切削、処理加工) さらには組立、分解、リサイクル、リユースまで考慮した工程設計がなされなければならない。この工程設計は、加工における経験から得られるノウハウが多く、数値化や数学的な式に理想化して表す事が困難で現在のところ、CAD情報からコンピュターによる自動設計は行われていない。本論文では、聴覚障害者が最も困難な中ぐり切削加工における加工条件 (切削速度、切り込み、送り等) を明らかにして工程設計の一助にする目的のために基礎的資料を得た結果について述べる。
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高 三徳, 加藤 篤史
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
31-34
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
リバースエンジニアリング (Reverse Engineering) は製品や模型の画像等の2次元情報から3次元コンピュータモデルを復元し, その設計プロセスの解析, 調査, 確認を行って新しい製品の開発に応用する手法である.本論文では, リバースエンジニアリングの流れを説明し, 滑らかな形状を有するルアーとそのダイカスト金型のCAD/CAMへの応用を1例として, リバースエンジニアリングのプロセスを述べ, 結果および問題点を考察した.
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高武 淳夫
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
35-36
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
造船幾何は主として船体曲面に関する創成 (Generation) と順整 (Fairing) ならびに構成部品の素材面上の展開形状を求める方法論だが、やはり図学一般に同じくコンピュータ応用の拡大に伴ってアナログからデジタルに変貌する途上にある。
将来の姿は未だ定かではないものの、造船分野は、他に先駆けてコンピュータ統合生産: CIM (Computer Integrated Manufacturing) 概念を鮮明にし、その中核となる製品モデル: PM (Product Model) 構築と応用の模索を続けている。
近年はソフト・バードの成熟とも相俟って、ようやく実用本格化の目途が付いたのではなかろうか。
まだまだ時期尚早だが、今後の進展の参考として、その基本となる体系変革の素案を試論として提示しておく。
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―正円を弧成楕円に代えた「Two Ellipse Roller」の制作―
村松 俊夫
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
37-40
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
筆者は, これまで「平面上をなめらかに転がる立体オブジェ」をテーマとして, 造形芸術的な観点からステンレススチールのパイプを素材とした大型の動く造形を継続的に制作してきた.これらは, 鑑賞者が手で直接触りながら全身を使って動きそのものや形態の変化を知覚できる作品群である.今回, この中の「Two-Circle-Roller」をもとにした弧成楕円によるヴァリエーションを制作した.
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大塚 礼穂, 横山 弥生
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
41-46
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
本研究は, 数列をCGにより視覚化し, さらに作品へと展開した例を示すものである.従来, 形態の生成において数列を利用することは稀であったが, 数列を視覚化した結果, その美しさには目をみはるものがあった.数列を形の変化の規則とし, 回転を主としたアフィン変換を用い, 動きを与えることで新しい形を生み出す.また, CGを利用することで複雑な形態や図形のシミュレーションを短時間で行うことができた.さらに, 作品への展開には, リズミカルで変化のある美しい形の生成も可能となった.完成した形態は, 基本図形のイメージとは異なる美しさを持ち, 立体への展開においても予想以上に美しい形態生成の方向性が示唆された.
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森田 克己
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
47-52
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
結び目は、数学においては、3次元空間R
3における単純閉曲線として定義できるが、造形的な視点から見れば、大変魅力的な存在として位置づけることが出来る。本稿では、1つの結び目をユニットとして想定し、同一種類のユニットの組合せによるパターンの生成を試みた。先ず、平面曲線に基づいた結び目の生成をした。次に、それをユニットとするパターンを生成した。以上から、造形的な観点に基づき検討を加えた。
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―ポンポニオ・ガウリコの透視図法―
奈尾 信英
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
53-58
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
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本稿では, 1504年に出版されたガウリコの『彫刻論』を対象とし, その第4章「透視図法」に記述されている作図法に関して先行研究を整理する.つぎに, ガウリコの透視図法がどのような方法であったのかについて可能性を示す.とくに, 第1の方法に関しては, H.E.ブロックハウス, E.パノフスキーD.ジョセッフィ, K.H.ベルトマン, R.クライン, M.ケンプ, T.ガルシアーサルガドの復元案を明らかにした.16世紀前半の透視図法の展開過程においては, 距離点法の成立は, 重要な位置を占めている.D.ジョセッフィやR.クラインの復元案では距離点法が示されている.けれどもガウリコの文章のなかには, 「距離点」という言葉が記されていないことから, 第1の方法は簡略作図法か対角線法を継承した作図法であった可能性が高いと考えられる.
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種田 元晴, 安藤 直見
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
59-64
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
詩人であり建築家であった立原道造 (1914-1939) が遺した作品の分析を通して, その建築観を検証した.言説や文献に読み取れる立原の建築観は, 同時代に建築を学んだ, 丹下健三 (1913―2005) を中心とする近代日本の建築家らが抱いた都市的な構想とは対比的な, 田園的な建築観であったと考えられる.自らの詩作とも通ずる原風景を描いた立原の〈田園的建築観〉を建築作品からも読み取るべく, 立原が描いた建築図面を可能な限り蒐集し, 特に透視図を対象として図像の分析を行った.立原の〈田園的建築観〉は, 透視図に田園的な背景を描こうとする意識に顕著に表れており, その意識は年代を追うごとに色濃くなる傾向が窺える.立原が抱いた〈田園的建築観〉は, 自らの生きた2つの大戦の間の時代に対するユートピアの表明であったと考えられ, 都市的な建築を担う建築家たちを少なからず感化する建築観であったといえる.
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鈴木 広隆
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
65-70
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
筆者はこれまで、大阪市立大学大学院都市系専攻の大学院特別演習として、特定地区を対象として景観調査を行い、それに基づいて景観誘導ルールを提案する演習を行ってきた。2006年度よりこの演習を発展させ、景観調査の際に画像処理技術を用いた分析を組み込み、主観的な解釈として処理されがちな景観に対する評価について、客観的な解釈を行うことを試みた。これは、特定の条件にマッチする画素のみに対して処理を施す簡単なプログラムを履修者に与え、照合条件のみ履修者自身の判断で設定を行い、各自が各様の画像処理を行うものである。最終的な景観誘導ルールの提案とそれに基づく景観のレンダリング画像作成の際にも画像処理技術を用い、改善の程度を量的に表現することを試みた。本報告では、本演習のスケジュール、本演習の内容、履修者の景観画像の解析例、履修者が提案した景観誘導ルールに基づくレンダリング画像の解析例について説明を行う。
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―見通し距離の計算法による検討―
石川 愛, 鈴木 広隆
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
71-76
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
今日刑法犯罪の多くを都市空間で起こる身近な街頭犯罪が占めており、特に大阪府におけるひったくり発生件数は全国でも非常に多く、深刻な問題となっている。本研究では、街頭犯罪の発生には都市の死角が関係あると考え、犯行遂行現場となる道路上の見通しに着目し、道路ネットワークを利用して見通しを定量化する方法を検討する。さらに、その方法をひったくり発生に関する分析へ適用し、その結果を報告する。
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西原 嘉, 西原 小百合, 大西 道, 新関 雅俊
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
77-82
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
2006年度本大会において、枚の写真から建物を再現する新しい手法の提案を行い、その妥当性をシミュレーションにより明らかにして来た。本研究はその続報であり。本手法を実際の模型や実際の建物に適用し、それぞれの場合の測定誤差を明らかにするとともに、測定精度向上と町並み測定のために手法のさらなる展開を行ったものである。新しい手法は町並み全体を画面に平行な立方体で包み、その1消点透視図を利用したもので、建物の寸法測定を距離点法、介線法により行うものである。なお建物の位置を決定するために地図と共に、衛星写真の利用を考えた。実際の建物についての画像計測の結果、相対誤差1%程度の高い測定精度が得られた。
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安福 健祐
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
83-88
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
避難シミュレータは, 仮想空間上に建築物の災害状況を設定し, 被験者のインタラクティブな操作により災害時の避難行動を再現するものであり, 本研究は, 没入型ディスプレイ装置を用いた避難シミュレータを開発し, 以下の結果を得た. (1) 一般のディスプレイと没入型ディスプレイ装置CAVEの両方で可視化が可能な避難シミュレータを開発した. (2) 建築物のように周囲が覆われた空間をCAVEによって可視化することは, 一般のディスプレイよりも被験者の没入感覚を高める効果がある. (3) CAVEによって, 地下空間の浸水災害を再現したところ, 床面のディスプレイに水面が映し出され, 徐々に水面が上がってくる様子が立体視映像で表示されることから, 災害時の臨場感を高める効果がある.
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伏見 清香
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
89-92
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
生活の中にインターネットが浸透した現在, ユーザのニーズが多様化してきている現状がある.さらに, ディスプレイ画面を介した視覚情報伝達においては, 物質感やスケール感の乏しい表現となることに加え, 携帯電話の画面は小さく限られたスペースでの情報伝達となるため, 図情報が大切な要素となる.ここでは, 可能な限り多様なユーザが利用できる携帯電話を使用した美術作品鑑賞支援のデザインの実現に向けて, 色が認識しにくい色覚特性をもったユーザに対する配慮を中心に携帯電話のディスプレイ画面を介した情報伝達におけるデザインについて具体的な指針を明らかにする.
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面出 和子
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
93-96
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
造形作品を制作するまたは批評する立場にある美術系の学生は, 作品の鑑賞または観察から多くを学ぶ.作品に対峙するとき, 主観的な印象のみをたよりに鑑賞してしまいがちであるけれども, 客観的な方法によって作品を読み解くことが必要である.絵画空間を客観的に観察する方法の一つとして, 実際に作図をして図法的に分析することができる.この発表では, 女子美術大学における専門科目『図形分析法』の授業内容を紹介する.この授業では, 図学的な視点によって, 絵画作品の構図および描かれた画面上の空間について分析・考察する.この方法は, 絵画批評の一つの方法に過ぎないが, 学生は自らが作図することによって, 絵画作品の新たな見た方をもつことができる.
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―ベン・シャーンの作例から―
小山 清男
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
97-102
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
絵画空間が二重構造となっている絵画がある.すなわち二つの空間のモンタージュ, 空間を合成することによって形成された絵画空間による絵画作品のことである.ベン・シャーンの画集を繰ってみていくと, たとえばサッコ・ヴァンゼッティ・シリーズとか, ラッキー・ドラゴン・シリーズなど, またそのような社会的な問題から離れた日常的な情景を描いたものの中にも, 空間のモンタージュによるいくつかの作例が見出された.ここではそれらの数点を採り上げて, できるだけ具体的に, どのように空間が合成されているかを考察した.とくに透視投象からみると, 図法的にはかなり正確でありながら, モンタージュによる空間の合成がなされていることが多い.そのように二重構造となった絵画空間の造形的な効果, あるいはまた, そのことと作品の内容, 情感との関連を探ろうとした試論である.
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加藤 千佳, 太田 昇一
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
103-108
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
葛飾北斎は, 国際的にも有名な日本を代表する絵師の1人である.彼は狩野派・土佐派・洋風画・漢画など様々な画風を学んだとされ, それらを吸収しながら彼独自の作風を作り上げた.北斎の構図は独創的であり, いくつかの著作の中でその構図の基礎を著している.「三ツワリ法」や「コンパスと定規を用いての作図法」を絵手本で紹介し, また遠近法と陰影を強調する手法を用いて「洋風木版画シリーズ」を描いている.本研究では, 彼の代表作である「冨嶽三十六景」の「神奈川沖浪裏」を対象に, 「神奈川沖浪裏」の芸術性を高めている重要な要因の1つが北斎独特の構図に因ることを, 「おしおくりはとうつうせんのづ」との関連性から検証した.さらに幾何学的観点から構図に潜む比の果たしている役割について考察を行い, 特に構図の要となる不変な黄金矩形が存在することを幾何学的に立証する.
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―「名所江戸百景」における奇抜な構図の特質について―
神山 明
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
109-114
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
歌川広重の「名所江戸百景」は, 広重最晩年の大作のシリーズものである.このシリーズについての多くの解説批評では「画面の奇抜さ」が特徴であると語られている.確かにこれらの作品を見るとき, 「奇抜さ」という印象を受けるのであるが, その「奇抜さ」の印象が, どこから来るのかという理由については, 印象は主観的なものであるために明確にしがたい感がある.また, 「奇抜さ」という言葉で語られる作品群であるが, その独特な画面構成とその効果については, 単純に「奇抜さ」を求めたのではない多様性があると思われる.本論では, このシリーズ108点全体を分析し, 「名所江戸百景」が生む「奇抜さ」の印象を背景を分析し, その構図の特質を考察する.
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―『アフターダーク』からの考察―
浜田 真理
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
115-120
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
文学作品の中にあらわれる, 言葉や文章で表現された空間が, 作品の中でどのような役割をしてるかということを図学的方法で解明しようとするものである.村上春樹の長編小説は, デビュー作から10作目まで一貫して, 主人公の視点で物語るという基本構造であったが, 11作目となる『アフターダーク』の視点はそれらとは異なるもので, それが物語の空間構造を変化させた.この物語で現実界を第1象限と捉えるなら, 異界は第2象限に相当するが, それら全てを包括する視点がここで初めて登場する.それによって, 物語として表現された空間構造がより立体的なものとなった.本論はその全体的な構造を図学的に明らかにする.
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西原 小百合, 西原 嘉, 川北 和明, 新関 雅俊
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
121-126
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
空間認識力を高めるには図学が有用であるとされている。またその判定にはMCTを初めとして幾多の方法があげられている。本研究では空間認識力を判定する問題として各種の資格試験問題、各図学担当者の工夫した問題を解析し、それらを組み合わせることによりさらに有用な判定問題の開発のための検討を行った。具体的には日本機械設計技術者3級試験問題、CAD利用技術者2級試験問題、市販の機械製図問題集、国際技術者試験トレーニングマニュアル等で用いられている問題を選別して、それぞれの特徴を分析した。
結果としては空間認識力を判定する為の問題は学生達に興味をひかせる問題、想像力をかき立てる問題であることが判明した。このような問題を多数集め実際に解かすことが図学教育の活性化に役立つと考えられる。
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西原 嘉, 西原 小百合, 安富 雅典, 吉田 晴行
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
127-132
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
図学教育は従来から立体の空間認識力養成に役立つとして、重要視されてき鳥また、近年では、鈴木らによってMCT (仮想切断面実形視テスト) が空間認識力の評価に役立つことが示されてき鳥他にもMCTに関する多くの研究がなされている。その研究を大別すると以下のようになる。
(1) MCT問題自体の分析, (2) MCTによる図学教育、製図教育の評価, (3) 空間認識力の養成
しかし、従来の研究はMCT問題を空間認識力の評価に用いるのが主で、空間認識力そのものの育成に用いた研究はあまりないように思われる。本研究では、MCT問題を解く立場からMCT問題の分析を行った。その結果MCT問題を解く前段階としてMCT問題の立体の見方、切断平面の見方、切断面を得るまでの過程説明の必要性を見出し鳥またMCT問題には空間認識力の評価以上に、空間諦哉力育成に役立つ要素が含まれていることが分かり、この要素をさらに発展させ、空間認識力養成のためのMCT演習問題の開発を行った。
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早坂 洋史
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
133-134
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
平成16年度より北海道大学での授業アンケート結果 [1] - [3] を分析し、アンケート結果をどう受け止め、どう判断したら良いのかを調べている。平成16年度の結果では、大学のアンケート結果からは読み取れない、授業成績とアンケート点数との関係などを明らかにし為平成17年度は、前期後期での同一学生のアンケート結果を分析し、後期開講の選択科目である応用図形科学でのアンケート評価点は3.72と、前期開講で必修科目の基礎図形科学の3.07と比べかなり高かいことを示した。この理由として、基礎図形科学の成績の比較的良い学生が受講していることから、もともと図形認識能力が高く、作図や図を使う事に興味のある学生が受講したためと、学生数が約60名から20名、約1/3となった事から、ゆとりをもった個人指導が可能となり、学生の評価が高くなった大きな理由と思われた。本報告は平成18年度の後期での同一学生のアンケート結果を分析した。
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梶山 喜一郎
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
135-138
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
立体の性質を記録した立体図がある.図学のメトリック (計量的) な表記法や図学の問題解決の手続きを知らない素人は, 立体図に立体の計量的性質が直接記録されていると誤解する.素人は図に記述した2次図形を直接測りこれを立体の数量的性質と推測してしまう.立体図から図学の表記法を推理することは素人には困難である.しかし, これを学習したから正しく解けるとはいえない.特に学習初期の初心者では, 学んだ手続きを課題に適用できないことや, 学んだ手続きを正しく実行するが, 問題解決をする手続きの下位の過程で使用する知識や技能に欠け, その結果誤った解答を産みだすことがある.これらより, 伝統的な図学教育の意義が確認される.日常的な立体図も計量的な理解には図学の学習が必要である.学んだだけでは課題に使用できず図学の知識を利用するための練習も必要である.さらには, 図学が前提としている座標系などの基礎知識の学習も必要とする.
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西原 小百合, 西原 嘉, 安富 雅典, 吉田 晴行
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
139-144
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
幼児の知育用玩具として、多くの種類の物が市場に出回っている。そのうちの一つである積み木は、個数、並べ方を変えることにより、様々な形を創造できる。
ニキーチンはその著書で、平面である紙上に描かれた形を見せ、積み木で立体を創造させる。逆に積み木で造った形を見せ、画用紙にその絵を描かせる。次に自分で形を考案させ、積み木で形を造る練習をさせる。そのことを通じて子供の空間認識力を高め、知的な想像性や創造開発するという優れた教育方法を紹介している。そのことは考えられる。ニキーチンの知育遊びは図学教育の目的とも大いに共通するものであり、図学による空間認識力養成教育に大きな示唆を与えるものである。またこのような知育遊びを導入、普及させることにより、幼児教育、学校教育に対して図学の重要性を認識させ、ひいては図学教育活性化の新しい手段を提供するものであると考えられる。また創造性の開発、痴呆症の治療への応用など、図学の新たな展開が可能になるものと考えらえる。
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福江 良純
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
145-150
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
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彫刻の古典的模刻技法に「星取り法」と呼ばれる方法がある。古代ギリシャに原理的な起源を持ち、複雑な人物像を、大理石から写実的に彫り出すために発達した、機械的転写の技法である。だが、彫刻家の創意はこの技法を用いながらも、複製だけでなく同形のオリジナル作品を作り出すことが出来る。そこには形と質という二つの形態の現れ方への重心の移動が働く。したがって、この技法が模刻技法である所以の解明は、芸術作品の複製とオリジナルという造形的な問題の構造を明らかにする手掛かりとなる。その際有効なのが、一切の機械的手法に依らない「直彫り法」との対比であり、感覚と形態の間に介在するラインの感覚の考察である。「星取り法」による形状の固定作用を図の固定的性格から説明し、作品のオリジナル性については、「直彫り法」に見られるライン感覚のダイナミズムに根拠を求めてみた。
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檀上 誠, 立石 彩子, 増永 裕子, 板橋 さやか, 小磯 かおり, 内山 博子, 浅野 正博, 平田 和明, 長岡 朋人, 吉村 作治
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
151-152
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
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今回、我々は、解剖学、エジプト学の専門家とコラボレーションによって、2005年1月に早稲田大学エジプト学チームにより発見されたエジブトダハシュール北遺跡の未盗掘王墓のミイラ「セヌウ」の復顔をデジタル技術で行った。ミイラ「セヌウ」の頭蓋骨CTデータを基に解剖学の見地を基に計測点を付け、各計測点に平均測深値データを使用して顔の面皮を作成し、エジプト学から導き出された人種や人物像情報を基にミイラ「セヌウ」の顔を完成に導いた。
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堤 江美子, 国見 康恵, 小林 慧子, 柿沼 よしえ
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
153-158
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
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男子高齢者49名の頚部から腰部に至る体幹部3次元情報から、解剖学的妥当性を含む複数の断面形状を計算し、その断面の幾何学的特徴量から高齢者の体つきを因子分析により調べた。その結果、累積寄与率約74%の第4因子までを使用し、 (1) 腹部を中心とした大きさの因子、 (2) 年齢差にかかわる反身体と弛緩の対比、 (3) 骨盤の傾きに伴う体幹部の前傾・後傾の対比、 (4) 猫背を伴う前傾・後傾の姿勢の対比に関する因子、を抽出し、肥痩度以下、主として脊柱や骨盤の傾斜などの変形に伴う高齢者の体形特徴を明確にすることができた。また、女子高齢者の体形特徴と比較をすることができた
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黄檗 雅也, 大竹 豊, 金井 崇, 道川 隆士, 近藤 邦雄
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
159-160
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
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スケッチによる三次元形状モデリングシステムは, 直感的なインターフェイスと形状モデリング手法の2つの技術が重要である.それらの研究はすでに数多くされており [1] , そのほとんどはポリゴン表現を用いている。形状表現のつである陰関数表現の特徴は, 形状の合成, 集合演算処理などの位相的な処理である.このため形状のレンダリングや他の三次元形状表現への変換およびモデリングなどの研究が進んでおり, 多様な応用が可能である.断面線による形状復元は, ポリゴン表現でいくつかの手法が提案されている.本研究では, 断面線を利用した2つの形状入力手法として, 階層的な複数の断面線入力と, 三面図を用いた断面線を入力とするインターフェイスを用いた, 陰関数表現による形状復元手法を提案する.
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渡部 広志, 近藤 邦雄, 大竹 豊, 金井 崇, 道川 隆士
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
161-166
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
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連続断層画像は近年の測定技術の進歩により
様々な場面で取得されるようになった, 連続断層画像の例として医療の現場で使われるMRIやCT, 工業製品の開発, 改良のためのCTの利用などが挙げられる.こういった連続断層画像の応用技術の可能性の一つとして, 動きを持つ形状の可視化がある.例えば物体の時間的な形状変化を表す, 時系列をもった連続断層画像に対するモデリングと可視化といったものである.本論文では, 4次元陰関数を用いた時系列を持つ連続断層画像のモデリングおよび可視化手法を提案する.提案手法は, 2値化した連続断層画像に対して, SLIM曲面と呼ばれる陰関数曲面を当てはめることで4次元陰関数曲面モデルを生成する.提案手法により, 任意の時間における3次元形状が簡単に計算できる4次元陰関数曲面モデルが得られる.そして本手法を用いた実験により動きを持つ形状の可視化に対する有用性を示した.
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大月 彩香, 大月 美佳
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
167-170
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
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これまで、三次元CAD/CGを用いた図法幾何学の解法について、従来の解法が適用できることを示し、また相互に比較しその特徴について考察してきた, 今回は, 三次元CAD特有の機能であるフィーチャーを利用した場合の解法の抽象化とその発展可能性について考察をおこなう.
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芝 葵, 久保 英里子, 長島 忍
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
171-172
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
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文系大学で3次元を理解し, 3次元に慣れ親しむ一般教育の情報処理授業の計画および教材開発について報告する.従来から実施されていたマルチメディアテーマの情報処理の授業内容を改変し, 3次元の理解を主眼においた授業を計画した.Flashを用いると様々な教材が開発できるだけでなく, 学生がプログラミングに参加してより深い理解を得ることができると考えられる.
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安藤 直見
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
173-178
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
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本稿は, 建築学科での図学教育において, ワイヤーフレーム・モデルを用いた透視図作成プログラムを教材として扱った事例についての報告である。ここでは, 教程が図学という学問体系の習得から建築設計製図のための図法の習得へと移行せざるを得ない状況の下での図学教育, 原理が理解できなくても結果が得られてしまうという事態が容易に起こりえるコンピュータを用いた教育への対応について述べている。ワイヤーフレーム・モデルを用いて透視図を作成することは, もとより, 透視図を創作する方法の部分的な選択肢に他ならないが, それでも, ワイヤーフレーム・モデルを用いて透視図の原理を学ぶことには一定の効果が認められる。
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阿部 浩和
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
179-184
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
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近年, 建築系の設計教育において学生の提出図面に見られる図的表現法の混乱や設計製図技量の不足などが指摘されており, 自分でイメージした建築形態が模型では表現できても, それを設計図面に表現することができない学生も見受けられ, このことは建築の外部形態と内部空間との関係や, 3次元形態と2次元表現との対応関係が十分涵養されていない可能性があることも考えられる.このような現象は以前からも同様であるのか, それとも初学年の図学・製図教育のCAD/CG化に起因するものか, はたまた初等, 中等教育における図形関連教科の削減が原因なのかは不明である.ただ少なくとも近年のCAD/CGを含む情報化技術の普及とともに, 正確に図を作図し表現することの意味が希薄になってきている可能性があり, 学生の素養に変化がでてきている可能性がある.
このような観点から本稿では, 建築系学生の大学1年次から3年次までの図的表現を含む演習科目を比較分析するとともに, CAD/CG教育の影響と学生の製図技量の現状について考察する.
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望月 達也
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
185-186
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
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エンジニアリングCGでは、3D-CADによるパート・アセンブリのモデリング、マテリアル・テクスチャによるバーチャルリアリティな画像、機構的な拘束を維持したアセンブリのアニメーションと動画、分解・組立のアニメーションと動画、3D-CADの部品分解にもとづくテクニカルイラストレーションの制作、CADデータのWeb-3Dへの展開など、ITを積極的に活用して幅広いデザイン業務を行っている。そのような業務に対応するためには、従来の科目 (製図、CAD、CG、デジタルビデオ、テクニカルイラストなど) を連携させた内容を演習する必要がある。本報告では、1年生の後期で受講するCAD演習Iの科目でエンジニアリングCGを指向した授業を試みた。その内容と授業評価について報告する。
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北爪 剛志, 脇田 龍平, 舘野 圭, 今間 俊博, 近藤 邦雄
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
187-190
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
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本研究の目的は, アニメーションの動作を分類し誇張制御法を提案することである。このためにアニメーションにおけるさまざまな動作を分析し, 動きの特徴を整理した.そして, それらの動作に対する誇張を制御して意図した動きを生成する手法を開発した。この手法を用いてアニメーションの製作実験を行った.
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辛 慰, 今間 俊博, 近藤 邦雄, 島村 徹也, 舘野 圭
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
191-196
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
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This research extracts keyframes from Motion Capture Data. Accurate selection of keyframes is a key point in motion synthesizing, editing, retargeting and motion data compression. Our method consists of two steps, curve selection and curve smoothing. In curve selection, every joint curve is re-represented with a simple numeric sequence based on wavelet transformation. Then the correlation between curves is calculated based on these numeric sequences. Several curves which are least correlated are chosen for keyframe extraction. In the next step, a noise filter is applied to selected curves. Finally the keyframes are selected from the de-noised curves.
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舘野 圭, 北爪 剛, 辛 慰, 近藤 邦雄, 今間 俊博
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
197-198
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
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アニメーション制作に用いられているモーションキャプチャシステムによって得られるデータには, 制作に使用するに当たって2つの問題点がある.一つはデータ量の多さであり, もう一つはキャラクタに望まれる動作と実際の人間の動作との差異である.前者に対してはキーフレーム抽出などのデータ量削減手法 [1] が, 後者に対しては手描きアニメーション特有の誇張表現をモーションキャプチャデータに付加するフィルタが提案されている [2] .しかし, 後者に関しては, 手描きアニメーションに見られる表現技法は誇張表現に限られない.キャラクタ全身のポーズにも実際の人間と違う表現が存在する.そこで本研究では, 手描きアニメーションのポーズで重要となるアクションラインに注目し, モーションキャプチャデータにアクションラインを生成, それにあわせて動作誇張を行う手法を提案する.
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今間 俊博, 斉藤 貴志, 井草 拓
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
199-202
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
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人間の視感覚には, 「メンタルモーション」のように非線形の要素が存在し, そのためアニメーション映像の制作においては, 物体のパースペクティブや動作のタイミング, 加速度といったアニメーションを構成する各要素が意図的に誇張・変形される場合がある.これらの誇張・変形量については, 感覚的に理解させる事は出来ても, これまで論理的, 数値的に履修させる事は難しかった.本手法では, 既存の2次元アニメーション作品からアニメーションの動きデータを抽出し, その抽出データを用いて3次元アニメーションで同様なシーンを構成し, その比較を行っている.この手法によって, アニメーションの持つ独特な「動きの質感」を理解させるための教育的な試みを紹介する.
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三幣 桂子, 大野 義夫
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
203-208
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
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CGの世界では, 植物などの物体を多数配置させる場合があり, その際には周期的でない自然な見た目となることが必要とされる.しかしその周期性の有無は見る側の主観に委ねられているのが現状である.そこで本研究では, 物体の位置を1ピクセルの点で表し, その点分布の周期性を定量的に評価する方法をフーリエ変換を用いて構築した.そして本研究の有効性を検証するためにアンケート調査を行った結果, 本研究による評価結果は大多数の人の主観と一致した.
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辻合 秀一
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
209-210
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
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これまでも, 情報処理教育の上での図学教育について報告を行ってきた.今回は, 富山大学高岡短期大学部と富山大学芸術文化学部の事例発表を行う.富山大学は, 平成17年10月に再編・統合が行われた.高岡キャンパスでは, 平成18年度から芸術文化学部が始まる.それに伴い高岡短期大学は, 富山大学高岡短期大学部になり入学も打ち切った.今回, 富山大学高岡短期大学部のビジュアルプログラミング基礎とビジュアルプログラミング応用の事例報告を行う.また, 平成19年度から芸術文化学部のインタラクティブアートプログラミング基礎・応用・総合, 図形情報演習を開始する.これらのプログラミング授業における図学教育の状況と準備について報告する.
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高山 文雄, 大表 良一
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
211-212
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
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最近、ICTの高度化に伴いマルチメデイアに慣れ親しんできた学生達はテキストベースの教材にあまり興味を示さなくなってきている。著書らは、例として、JAVAのプログラミング教育にコンピュータグラフィックス (CG) とアニメーションを用いた教材を作成し、それを実際に授業で利用した。本報告で、そこでの教材評価と今後の展望などを述べる。
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本郷 健, 近藤 邦雄
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
213-216
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
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教科「情報」は、問題解決能力の育成を学習内容として扱うところに特徴がある.問題解決法を学ぶ題材の開発は教科「情報」にとって極めて重要な課題である.加えて、ICTを利用することによって初めて問題解決の対象となり得た事象や従来の問題解決手法と異なる考え方に気づかせることは、教育内容の質を高めていく上で欠くことができない.分散処理的なものの見方や考え方は、問題解決の新たな考え方として社会科学や自然科学の分野で広く活用され始めている.
分散処理的なモデルは情報の込み入った関係性から立ち現れる現象であるため、形や図形で視覚的に表現する方法は、教材として欠くことができない.このような機能を持ったモデリングツールを利用することによって高等学校段階へ導入することの可能性を、具体的な教材の開発を通して検討する.
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黒瀬 陽代, 佐藤 紀子
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
217-222
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
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メディア基礎演習「デザインの基礎」では, デザインを経験したことがない学生を対象として教育を行っている.授業を受講する学生の多くは, デザインという分野が感覚的であり, センスがなければできない等の先入観があるため受講前から諦めや苦手意識がみられた.しかし, デザインにおいて論理的思考は大変重要であることを授業で課題制作に取り組むことによって学んでいる.
本研究ではデザインの基礎を通してデザイン教育と情報教育の視点を取り入れることにより, 学生が伝達する情報の意味を理解し, 初心者でも目的に添って視覚表現ができる授業設計及び実践の取り組みを報告する.
また, 毎年アンケート調査を実施し, 学生の反応を捉えながら資料を作成することで, 学生が求める知識や技術が見えてきた.
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―初心者のデッサンプロセスに関する考察―
佐藤 紀子, 渡辺 賢悟, 竹内 亮太
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
223-228
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
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本研究では, 個人のデッサンの特徴を捉えるため, 描画プロセスにおける, 描画されたモチーフの要素 (紙コップの口の上下の縁, 持ち手の部分の左右の稜線など) の描画値をデータ化し, 初心者のデッサンプロセスの時系列データを取得した.描画プロセスは, 「感性」「個性」の集積でもあり, デッサンに取り組む初心者の習熟度や経験を反映するものである.モチーフの描画領域の動的データを比較することで, 描画プロセスにおける個人の描画傾向を探る.この結果を, 初心者がデッサンを訓練する場で有効に利用するための方法について考察する.
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喜瀬 晋, 関口 相三, 奥坂 一也, 平野 重雄
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
229-234
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
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三次元設計CADの実用化により, 機械設計業務で明確な効率化が図られつつある.しかしそれは限られた組織, 職場だけなのかも知れない.経験の浅い設計者には三次元CADを使う目的や考え方が確立されていないようである.また, (1) 設計手法を理解していない, (2) 形状モデルはつくるが設計構想が明確ではない, (3) 二次元図面の理解力が不足しているなどの諸問題がある.
そこで, 本論では設計力をつけるための方策, 特に設計=形状の決定=あいまい決定と形状の工夫を習得することが円滑に行える弊社のイメージトレーニング法の一事例を示し, 成果の確認を行い, さらに機械設計者としてのスキル向上について考察する.
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宮井 あゆみ
2007 年41 巻Supplement1 号 p.
235-238
発行日: 2007年
公開日: 2010/08/25
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近年関心が高まる実務教育や実務能力の評価の要求に応えるために, CG-ARTS協会では, CGをツールとして使うクリエイターやデザイナーに必要な専門知識の習得を目的としたカリキュラムとテキストブックを開発し, 検定試験を2007年7月から全等級実施することになった.このカリキュラムは, 上級レベルで3次元CGアニメーション制作, 初級レベルで2次元CGと3次元CGの静止画制作の学習をする構成になっている.本稿では, カリキュラムと教材の特色, それに対応する検定試験で測定する能力の評価の観点について解説する.
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