図学研究
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ニキーチンの知育玩具の紹介
西原 小百合西原 嘉安富 雅典吉田 晴行
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2007 年 41 巻 Supplement1 号 p. 139-144

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抄録

幼児の知育用玩具として、多くの種類の物が市場に出回っている。そのうちの一つである積み木は、個数、並べ方を変えることにより、様々な形を創造できる。
ニキーチンはその著書で、平面である紙上に描かれた形を見せ、積み木で立体を創造させる。逆に積み木で造った形を見せ、画用紙にその絵を描かせる。次に自分で形を考案させ、積み木で形を造る練習をさせる。そのことを通じて子供の空間認識力を高め、知的な想像性や創造開発するという優れた教育方法を紹介している。そのことは考えられる。ニキーチンの知育遊びは図学教育の目的とも大いに共通するものであり、図学による空間認識力養成教育に大きな示唆を与えるものである。またこのような知育遊びを導入、普及させることにより、幼児教育、学校教育に対して図学の重要性を認識させ、ひいては図学教育活性化の新しい手段を提供するものであると考えられる。また創造性の開発、痴呆症の治療への応用など、図学の新たな展開が可能になるものと考えらえる。

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