図学研究
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建築系学生の図的表現と作図技量の現状
阿部 浩和
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2007 年 41 巻 Supplement1 号 p. 179-184

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抄録
近年, 建築系の設計教育において学生の提出図面に見られる図的表現法の混乱や設計製図技量の不足などが指摘されており, 自分でイメージした建築形態が模型では表現できても, それを設計図面に表現することができない学生も見受けられ, このことは建築の外部形態と内部空間との関係や, 3次元形態と2次元表現との対応関係が十分涵養されていない可能性があることも考えられる.このような現象は以前からも同様であるのか, それとも初学年の図学・製図教育のCAD/CG化に起因するものか, はたまた初等, 中等教育における図形関連教科の削減が原因なのかは不明である.ただ少なくとも近年のCAD/CGを含む情報化技術の普及とともに, 正確に図を作図し表現することの意味が希薄になってきている可能性があり, 学生の素養に変化がでてきている可能性がある.
このような観点から本稿では, 建築系学生の大学1年次から3年次までの図的表現を含む演習科目を比較分析するとともに, CAD/CG教育の影響と学生の製図技量の現状について考察する.
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