図学研究
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人が移動させる物体の複数カメラによる特定
渡辺 崇西村 武彦
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2007 年 41 巻 Supplement2 号 p. 77-80

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抄録

人の行動を支援するためのユビキタス環境の構築や, 多発化の傾向にある日常犯罪の防止のための一助として, ビジョンベースのモニタリング装置の導入が行われている.本研究では, このような装置から, 人の行動と, 人の行動に伴う物体の移動を認識するためのシステムを提案する.人の行動は, 観測空間内の一定の場所で小刻みに動く停留行動と, 観測空間を通り過ぎる通過行動の, 2つのパターンに分類する.その上で, 人の動きの開始, 終了を特定するために大域的な領域を見る大域カメラと, 人が動かした物体を特定するために局所領域を拡大撮影する局所カメラを設ける.大域カメラで検出された, 人の存在領域, 行動パターンを局所カメラに伝達し, 局所カメラは, 人の行動の前後でもたらされる物体の移動, 出現, 消滅を認識する.モデル実験, および, 現実の場の実地実験を通して, 提案システムの有効性を確認した.

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