抄録
本研究では、折り紙の展開図を計算機に効率的に取り込む手段を提案する。実際に手作業で折りたたんだ折り紙を開き、それをスキャナで読み込んだ画像から、Hough変換を用いて線分を検出する。検出した線分から、折り線として不要な線分は削除する。始点、終点の座標値によって表現されていた線分群を無向グラフによる表現に変更する。画像から読み取った線分の位置情報には誤差が含まれるため、その後、平坦に折りたためる折り紙の持つ幾何的制約に基づいて頂点位置の移動を行う。展開図の特性・制約を考慮した上で局所平坦条件を満たすよう補正を行い、平坦に折りたたむことのできる、妥当な展開図を計算機上へ再構築することを目的とする。