抄録
本論文では、画像データベース検索において印象語のような主観的であいまいな検索語の入力でも対応する検索手法を述べる.提案する手法は, 入力語と印象語データベースを比較して文字の一致度を計算し, 一致度が高い場合はあいまい性が低いと判断して検索画像の印象度レベルを下げ, 逆の場合は上げるアルゴリズムである.また, ユーザ側からもこの検索制御の精度を指定することが可能である.本手法の有効性を確認するため, 10人の評価者が, 提案した手法と, 検索インタフェースの異なる方法を実装したシステムを比較した.その結果, 目的画像のヒット率は提案手法が低かったが, ユーザインタフェースの要である‘使いやすさ’は, 提案手法が高かった.
今後の課題としては, ヒット率の向上に向けて, データベースの規模が拡大した場合の印象語データベース保守管理手法の開発と, 提案手法を用いた画像ヒット率の向上である.