日本医療・病院管理学会誌
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研究資料
拡大する女性看護職の非正規雇用と看護労働の動向
—— 「就業構造基本調査」データによる概観 ——
宮崎 悟
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2010 年 47 巻 4 号 p. 197-207

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抄録
総務省統計局「就業構造基本調査」の匿名個票データを活用して,女性看護職をとりまく近年の動向,とりわけ雇用形態や労働環境,就業意識を中心に概観した。
まず,他職種と同様に女性看護職の非正規雇用は近年拡大傾向にある。また,看護職就業者数や看護職就業率は上昇しており,全体的な看護供給量は増加傾向にある。
一方,労働量や報酬面での待遇からみた労働環境の動向を見ると,非正規雇用者でそれほど変わらないが,正規雇用者では悪化傾向が見られる。また,現職に対して転職や就業休止を希望するようなネガティブな意識を持つ人の割合は,非正規雇用者で変わらないが,正規雇用者では増加しており,労働環境との関連性が示唆された。
この状況が続くことで,中心的な役割を担う正規雇用看護職の減少を通じて,再び看護職員が減少する可能性もある。非正規雇用化の流れの中で,正規雇用者を中心に看護職の労働環境改善が求められる。
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© 2010 一般社団法人 日本医療・病院管理学会
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