日本医療・病院管理学会誌
Online ISSN : 2185-422X
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47 巻, 4 号
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巻頭言
研究資料
  • —— 「就業構造基本調査」データによる概観 ——
    宮崎 悟
    2010 年47 巻4 号 p. 197-207
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/12/25
    ジャーナル フリー
    総務省統計局「就業構造基本調査」の匿名個票データを活用して,女性看護職をとりまく近年の動向,とりわけ雇用形態や労働環境,就業意識を中心に概観した。
    まず,他職種と同様に女性看護職の非正規雇用は近年拡大傾向にある。また,看護職就業者数や看護職就業率は上昇しており,全体的な看護供給量は増加傾向にある。
    一方,労働量や報酬面での待遇からみた労働環境の動向を見ると,非正規雇用者でそれほど変わらないが,正規雇用者では悪化傾向が見られる。また,現職に対して転職や就業休止を希望するようなネガティブな意識を持つ人の割合は,非正規雇用者で変わらないが,正規雇用者では増加しており,労働環境との関連性が示唆された。
    この状況が続くことで,中心的な役割を担う正規雇用看護職の減少を通じて,再び看護職員が減少する可能性もある。非正規雇用化の流れの中で,正規雇用者を中心に看護職の労働環境改善が求められる。
  • —— 山形県における看護職員の年齢構成から ——
    伊藤 嘉高, 田中 幸子, 大嶋 聡子
    2010 年47 巻4 号 p. 209-216
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/12/25
    ジャーナル フリー
    「看護師不足」が広く認識されるなか,看護職員への離職防止,定着促進策が種々講じられている。そうした動向の背景には,病院の看護職員の年齢構成がいわゆるM字カーブを描いておらず,30歳代から一貫した低下傾向にあるとの認識がある。
    しかしこの認識は全国的には必ずしも当てはまらず,山形県のデータではM字カーブを描いている。本研究では,この山形県の看護職員の年齢構成を子細に分析した。その結果,山形県でも都市部の急性期病院は30歳代から一貫した低下傾向にあるものの,地域間の転職・再就業の流れが地方部の重要な人材供給パスになっており,結果として県全体でM字カーブになっていることを明らかにした。山形県におけるM字カーブは必ずしも離職防止・定着促進の結果ではない。
    したがって,今後の看護政策には,急性期病院に目を向けた「固定化」策だけではなく,個々の看護職員の移動を視野に収めた施設横断的な就労支援策も求められる。
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