抄録
本研究は,急性期病棟における看護業務量および投入マンパワー量とヒヤリハット発生との関係を明らかにし,安全な医療提供のための方策について検討することを目的とする。6施設25病棟の全看護職員580名を対象に,自記式の業務量調査を7日間実施し,ロジスティック回帰分析を用いてヒヤリハット発生の関連要因を検討した。ヒヤリハット発生は41.2件(1,000患者×日)であり,インシデント・アクシデントレポートの報告件数の約8倍であった。ヒヤリハット発生は,入院件数や手術・検査件数が多く,入院や患者移送への対応時間が多い場合に起きている傾向がみられた。患者安全の確保の観点から適切な人員配置とするには,現行の患者数対看護師数による配置基準だけではなく,入院対応件数や病床回転率などを考慮した新たな配置基準が必要となる。