抄録
【目的】米国のジョイント・コミッションに対する,政府機関からの批判とそれへの対応を分析し,わが国の病院外部評価への示唆を明らかにする。
【方法】公開された文献及び情報から,政府機関による批判及び病院認定事業の改革の要点を整理し,双方の意味するところと批判と改革の対応関係を考察する。
【結果】米国では,政府機関のジョイント・コミッションへの批判が引きがねとなって,病院外部評価をめぐる,両者間の相違点や矛盾が顕在化し,制度的な変更とともに事業改革へとつながった。
【結論】これを踏まえた,わが国の病院外部評価への示唆は,病院機能評価の受審・認定のひろがりの必要性,医療の質の達成度と継続的改善の重点的評価の重要性,競争的環境の必要性である。