日本医療・病院管理学会誌
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研究資料
暴言・暴力およびセクシャルハラスメントに関する愛知県下病院アンケート調査の分析
天野 寛加藤 憲宮治 眞藤原 奈佳子勝山 貴美子小林 三太郎牧 靖典川原 弘久柵木 充明妹尾 淑郎
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2011 年 48 巻 4 号 p. 221-233

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抄録
愛知県医師会勤務医部会は,県下340病院に対して,2007年1月∼12月を対象期間として,2008年2月25日∼3月31日の間において,暴言・暴力を中心とするアンケート調査を実施した。回収率は54.1%(184病院)であった。結果は,過去1年間に患者(患者の家族を含む)の側からの暴言・暴力およびセクシャルハラスメント(セクハラ)を経験した病院は72.8%であった。暴言の頻度は,「頻繁に」が,看護師は46.2%,事務職員は31.8%,医師は18.3%であった。暴力については「まれに」が,看護師は53.2%,医師は38.0%,事務職員は36.7%であった。セクハラについては「まれに」が,看護師は54.2%,事務職員は28.4%,医師は18.2%であった。暴言・暴力の対応策について,被害者をケアする体制を「すでに実施」していると回答した病院は,病床数300床以上の病院で32.7%,300床未満の病院が6.3%であり,両者の間に有意な差がみられた(p<.01)。
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© 2011 一般社団法人 日本医療・病院管理学会
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