日本医療・病院管理学会誌
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研究資料
国立病院機構における臨床指標の作成と今後の運用
小林 美亜尾藤 誠司岡田 千春伏見 清秀
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2012 年 49 巻 1 号 p. 41-50

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抄録
欧米諸国においては,医療の質保証に向け,臨床指標を用いた医療の質の定量的な評価がすすんでいる。近年,我が国でもこのような取り組みが行われるようになり,国立病院機構も,臨床評価指標(国立病院機構における臨床指標の呼称)を活用して医療の質の実態の可視化を図り,医療の質評価を行っている。平成22年度には,厚生労働省医政局による「医療の質の評価・公表等推進事業」に参加し,国立病院機構45病院の各結果について病院名と併せて公表を試みた。また,国立病院機構以外のDPC対象・準備病院でも,当該臨床評価指標が計測可能なように,算出方法のロジックを示した計測マニュアルの公開を行った。臨床評価指標は,病院間の計測結果のばらつき等を通して,潜在的な問題の発見に役立つ。今後は,現場の医療の質を適切に反映しているかどうかといった臨床評価指標の妥当性について検証することが必要である。
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© 2012 一般社団法人 日本医療・病院管理学会
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