抄録
多施設の診療報酬請求データを活用し,病院間の薬剤管理指導業務の実施状況差に関連する要因を特定することを目的とした。全国の94病院を対象とし,DPCデータと質問票調査結果を用いた。薬剤管理指導料の算定状況に基づき薬剤管理指導業務の実施状況を指標化し,患者あたり,薬剤師あたりにそれぞれ換算して目的変数とした。無菌製剤処理や特定薬剤治療管理料などのその他業務,経験年数,ITシステム導入状況,稼働病床数などを説明変数とし,重回帰分析を行った。薬剤管理指導業務の実施状況には,病院間で大きなばらつきがみられ,薬剤師あたりの入院患者数,外来調剤件数,入院に関するその他業務などが関連していることが分かった。これらの因子は,薬剤師の資源配分や業務設計を考える上で有用であると考えられるが,重回帰分析の決定係数は0.25程度であり,薬剤部門のパフォーマンスのばらつきも示唆された。