日本医療・病院管理学会誌
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研究論文
遺族による終末期ケアの評価
——病院と特別養護老人ホームの比較&mdash&;mdash;
池上 直己池崎 澄江
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2013 年 50 巻 2 号 p. 127-138

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抄録

死亡場所による終末期ケアの質を比較するため,遺族を対象としてTenoらの痛みへの対応,医師とのコミュニケーション,総合評価等の質問表を用いて郵送調査した。対象はK市の精神科病院を除く全5病院,及び全国から抽出した653の特別養護老人ホーム(特養)であり,前者は205名(回収率48.0%),後者は92施設より256名(同63.2%)の回答を得た。病院と特養の施設内死亡者を比べると,特養の方が質は高い傾向であった。アメリカと比べると,病院は分野により異なり,特養はナーシングホームよりもほとんどの分野で質は高かったが,総合評価はいずれも日本の方が低かった。次に,病院の1年以上介護を要した者,特養から病院に入院して死亡した者,特養の施設内で死亡した者を比べると,特養施設内死亡者の質が最も高く評価された。今後,死亡する場ではなく,終末期ケアの質に着目するべきである。

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© 2013 一般社団法人 日本医療・病院管理学会
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