日本医療・病院管理学会誌
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研究資料
調和設計を用いた汎用的な患者用用具の設計
鈴木 圭介高橋 武則山内 慶太
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2016 年 53 巻 2 号 p. 131-139

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抄録
医療・福祉のハードウェアの設計では,複数の患者等の層と複数の使用場面を組み合わせた全条件で汎用化を図る必要があるが,従来手法では対応方法が不明確である。調和設計は数理モデルを用いた話し合いを通じて多種のトレード・オフを調整し,関係者の合意を形成することにより設計諸元を決定する手法として提唱されており,汎用的なハードウェア設計の科学的手法として応用の可能性があるが適用事例はない。本研究は調和設計を実際に医療・福祉のハードウェアの設計に適用し,その可能性と留意点を明らかにすることを目的とした。その結果,複数の層の使用者,複数の使用場面を組み合わせた条件間のトレード・オフを調整した設計が可能であること,設計対象の特性の限界値と条件間のトレード・オフの状況を可視化することが可能であること,実験時には習熟,疲労を抑制しノイズの入らないデータを収集する必要があることが示唆された。
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© 2016 一般社団法人 日本医療・病院管理学会
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