抄録
日本看護協会が実施したワーク・ライフ・バランスワークショップ事業報告書から,平成22-24年度に新規参加した施設の課題解決に向けた取り組みをKH Coderにより内容分析した。32都道府県236施設の課題解決に向けた取り組みは,4,648のキーワードに抽出でき,それを22の課題設定に分類した。課題設定は,〈WLB基礎部分〉〈WLBの取り組み〉〈取り組み方法〉〈成果を視野に入れた取り組み〉の4つのカテゴリーに分類した。今後4ヶ月のカテゴリー割合では,〈取り組み方法〉がどの年度も35%以上を占めていた。それに対し,今後1年間・今後3年間では〈取り組み方法〉が減少し,〈WLB基礎部分〉〈WLBの取り組み〉が60%以上に増加し,WLB本来の取り組みに移行していた。このことから,ワークショップでの支援は有効であったと考える。課題設定間の関係性では,「やりがい向上」が他の課題設定に強く結びつき,今後の推進に必要な取り組みであることが示唆された。