日本医療・病院管理学会誌
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研究論叢
日本における医療の費用効果分析・費用便益分析の実態:36年間の推移
弘田 義人六車 耕平今中 雄一
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2020 年 57 巻 1 号 p. 11-19

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抄録

本研究の目的は,日本の医療制度下における費用を用いた費用効果分析(費用効用分析),費用便益分析を網羅的に収集し,その特徴を検討することである。5つの電子データベースを用い,日本の医療制度下における費用を用いた増分費用効果比,増分費用効用比,純金銭便益,純健康便益,増分純便益のいずれかを検討した文献を系統的レビューの手法に則り検索・選択した。その後必要項目を抽出し,文献の特徴を検討した。その結果,1983年から2018年に発表された325文献を採択した。2017年以降文献数は急増しており,ガイドライン等の推奨に沿っている研究は近年増加傾向だったが,欧米における費用効用分析のレビュー論文の結果と比較すると,推奨に沿っていない研究が多かった。より一層,費用効果分析・費用便益分析の質の向上を図るべきである。また医療経済評価の方法論の標準化の推進に資するため,日本における医療経済評価研究を集積したデータベースの構築が望まれる。

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© 2020 一般社団法人日本医療・病院管理学会
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