2021 年 58 巻 1 号 p. 2-11
【目的】 組織風土の病院に勤務する職員の定着・離職に与える影響を明らかにし,その関係性を説明する理論を構築する。【方法】大分県内の病院職員(医師,看護師,理学療法士,ソーシャル・ワーカーなど)に対して半構造化インタビューを行った。そして,インタビューによって得られたデータからカテゴリー及び下位概念を生成し,各カテゴリー間の関係性について分析を行った。【結果】27名の半構造化インタビュー等をもとに,3つのメインカテゴリー(職員同士の人間関係,仕事のやりがいと教育や生活への支援,尊重の風土)を導き出した。【考察】本研究から,職員同士の人間関係と仕事のやりがいと教育や生活への支援が尊重の風土と結びつくことによって働きやすい環境が整い,その結果,職員の離職率の低下と定着率の高さにつながることが示唆された。