抄録
官医・山崎宗運(宝暦11–天保5)年は,江戸医学館鍼科教諭を務め,『釈骨』の家刻や『天聖銅人腧穴鍼灸図経彙攷』(台湾国立故宮博物院図書館所蔵)の校正補注,「銅人形」(東京国立博物館所蔵)を鋳造せしめた人物として知られている.長野仁氏所蔵『釈骨』に附属する「骨度折量法尺式」は,実寸や度量衡を問わず,『霊枢』骨度の記載に則した骨度の測定,取穴を可能にすることを目的として製作された.宗運による「骨度折量法尺式」の制作の意図は,古医書を尊び,堀元厚などの前輩の説を基軸として考証を行いつつも,より精確な骨度の測定基準及び簡便かつ精度の高い取穴法を模索することで,実証性の高い経穴学理論の構築を試みることにあった.