保健医療社会学論集
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青壮年期女性SLE患者のセルフマネジメント定着化プロセスと看護支援に関する研究
有田 祥子井上 智子
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2007 年 18 巻 1 号 p. 14-24

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抄録

全身性エリテマトーデス(以下SLEと略す)などの自己免疫疾患は、明確なコントロール指標がなく体調管理が難しいと言われている。そこで本研究は、外来通院中の青壮年期女性SLE患者28名を対象に、再燃予防のためのセルフマネジメントの内容、およびそれらをどのように定着させてきたのか聴取し、その内容を詳細に記述し解釈すること、そこから今後の看護支援の方向性について示唆を得ることを目的とした。その結果、15の概念から成る病気体験とセルフマネジメントのプロセスが導き出された。青壮年期女性SLE患者は、病気、薬、病気と共に生きる人生の受けとめを基盤に、試行錯誤しながら活動バランスを考え、体調管理と人生の充実を図っていた。医療者は、病気体験に即した患者の受けとめを支え、病気体験やセルフマネジメントの情報を提供し、セルフマネジメント方略を共に考える役割や、うまくいっている取り組みを支持し、自信を高める役割を認識し、実際の支援を検討する必要がある。

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© 2007 日本保健医療社会学会
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