保健医療社会学論集
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原著
転院依頼演習のワークの研究——高度救命救急センターにおける演習場面を事例として——
阿久津 達矢
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2021 年 32 巻 1 号 p. 74-84

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抄録

本稿の目的は、高度救命救急センターにおける医療資源管理の一環である転院依頼演習を対象として、ワークの研究の立場から演習での実践の特徴を明らかにすることである。明らかとなったのは、まず、講師が、研修医との非対称な知識配分の下で、転院依頼の仕方を教示するために用いていた、ふたつの教示の方法である。ひとつ目は、講師が「ケース報告」の実演と「転院依頼」の実演という課題によって演習全体を組み立て、課題ごとに演習を進行していたことであった。ふたつ目は、講師が転院依頼の適切な仕方を教示する際、研修医に転院依頼に必要な知識を伝え、それに応じた必要最低限の情報のみを伝えるよう、依頼の簡潔さを強調していたことであった。また、講師が転院依頼の仕方をどのように教示しているのか分析する中で、講師によって教示されていた転院依頼の方法を記述することができ、転院依頼という活動の特徴を解明することができた。

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© 2021 日本保健医療社会学会
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