保健医療社会学論集
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原著
がん患者は集団活動にいかに取り組んでいるか——A県の肺がん患者会を率いるBさんの語りから——
齋藤 公子
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2022 年 32 巻 2 号 p. 69-79

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抄録

本稿は、がん対策基本法施行後の昨今、がん患者はいかにして集団活動に取り組んでいるかを議論した。A県の肺がん患者会を率いるBさんの語り等から、Bさんはがん患者たちによる集団活動の場で「支援する者」として活動していることが明らかになった。またBさんは、がん患者・家族を集団活動にいざない、参加者にがんの罹患経験を社会に開いていくことを促していた。「医療をめぐる社会運動」の議論に照らせば、Bさんの活動は社会運動の萌芽を持つものと捉えられる。本稿はその理解にもとづいて、がん患者たちによる集団活動が「常に可視的」でないものとして現れる可能性を指摘し、その検討を課題とした。

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© 2022 日本保健医療社会学会
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