昭和学士会雑誌
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原著
回復期リハビリテーション病棟の看護実践
―退院支援に焦点を当てて―
長嶋 祐子
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キーワード: 熟練看護師, 看護実践
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2017 年 77 巻 1 号 p. 33-39

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抄録

本研究の目的は,回復期リハビリテーション病棟で働く熟練看護師の退院支援に関わる看護実践の構成要素を明らかにすることである.研究方法は,熟練看護師の看護実践観察を中心とした参加観察および,インタビュー法で行ったデータ収集である.参加観察でのデータ収集は,病棟内でのケアや訓練の多い,朝から昼食時間を中心に実施した.参加観察のデータは,フィールドノートに整理し,インタビュー内容から逐語録を作成した.分析では,熟練者の看護実践について,繰り返される場面や行為を探索し,それらを作り上げている構成要素を明らかにした.その結果,1)準備期間の確保,では〈判断材料の提供〉,〈段取りを決める〉が,2)常に家族とともに進む,では〈家族を巻き込む〉,〈段階的に管理を移す〉が,3)具現化に寄り添う,では〈自宅での生活動作を具体化する〉,〈意志を形にする〉,〈移動相談窓口になる〉で,看護師の関わりの力が内在する行為であった.

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© 2017 昭和大学学士会
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