昭和学士会雑誌
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資料
急性期実習を受け入れている病棟看護師が実習指導に関わる支援方法の検討
―病棟看護師が抱く実習指導に対する認識や仕事と実習指導のバランスのとり方に関する意識調査―
佐々木 仁美
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2017 年 77 巻 4 号 p. 415-422

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抄録

大学病院は,学部と臨床の連携を強化し,学生の実習指導に取り組んでいる.このことから,教員や実習指導者だけでなく,病棟看護師も学生の指導に関わることが多い.しかし,病棟看護師の実習指導に対する認識や業務と実習指導とのバランスのとり方,あるいは臨床教員が実習指導者や,病棟看護師に対し,学生が主体的に実習できる支援内容や方法について検討した報告は認められない.これらを明らかにすることによって病棟看護師が,看護学生に対して効果的な実習指導への参加を可能にするとともに,実習指導がよりよくできる支援内容や方法の示唆を得たいと考えた.本研究では,大学病院に勤務する実習指導に携わった経験のあるクリニカルラダーレベル2以上の病棟看護師で,同意が得られた23名に,半構成的面接を実施した.その結果,病棟看護師は実習指導に対して,【実習指導に対する不安・とまどい】【余裕がなく,実習指導に関心が薄い】【指導者との連携不足】【実習調整や指導の役割を意識した関わり】という認識を持っていることが分かった.このことから,臨床教員や実習指導者は,病棟看護師に対して,指導者役割の一部を担う役割モデルとして機能していること,また,情報共有や連携,指導を通して成長していることをフィードバックし,1)学生指導における役割の明確化,2)実習目的や目標の共有,3)指導者・臨床教員との連携,4)指導を通しての学び・達成感の共有が重要であることが示唆された.

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© 2017 昭和大学学士会
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