昭和学士会雑誌
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症例報告
輸入感染と国内感染によるデング熱の2小児例
石川 琢也池田 裕一岡本 奈央子児玉 雅彦秋山 康介岡本 義久外山 大輔西岡 貴弘藤本 陽子磯山 恵一
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キーワード: デング熱, サイトカイン
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2017 年 77 巻 4 号 p. 455-461

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抄録

デング熱は蚊が媒介するデングウイルスの感染症であり,主に熱帯・亜熱帯地域で流行している.日本では長らく輸入感染例のみ報告されてきたが,2014年8月,海外渡航歴のない国内発症のデング熱症例が報告された.当院では同時期にデング熱の2小児例を輸入感染例と国内感染例を1例ずつ経験したので報告する.症例1は12歳男児でタイに渡航歴がある輸入感染例,症例2は11歳女児で代々木公園に訪問歴のある国内感染例であった.2例とも全身倦怠感が強く入院加療を行い,輸液療法で軽快し退院した.発熱と全身倦怠が強い患者では,渡航歴がない場合でもデング熱を鑑別すべきであると考える.

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