2020 年 13 巻 1 号 p. 31-40
【目的】公衆衛生看護学健康教育実習において、学生が卒業後すぐに活用するイメージを持てるレベルまで学びを深めるための実習プログラムを構築し、その効果を示す。
【方法】先行研究において抽出された学生の学びのプロセスを ICE モデルの各段階にプロットし、学生が ICE モデルの「E(応用)」の段階までたどり着くための実習プログラムを構築した。先行研究で効果の見られたグループ学習をベースに、特定の学習プロセスを意図的に経験させるべくプロジェクト・ベースド・ラーニングの手法で設計し、省察を促すツールとしてポートフォリオを導入した。更に ICE モデルの「E(応用)」に至ったかをアセスメントするツールとして ICE ルーブリックを取り入れた。学生3名と指導教員1名に依頼し、大学近隣の高齢者施設で実習を行った。このプログラムの効果は、学生へのインタビューとレポートから質的に分析した。
【結果】本プログラムが意図したとおり、先行研究で抽出された 9 つの学習プロセスは、ICE モデルの「応用」にプロットしたプロセスを含め、本研究において全て出現した。
【考察】アクティブラーニングの手法を取り入れた本プログラムは、学生の学習プロセスに働きかけ、学生の学びの段階を、ICE モデルの「情報」の段階から「応用」の段階に至らしめる効果があることが明らかとなった。