出版研究
Online ISSN : 2434-1398
Print ISSN : 0385-3659
国際交流
デジタル時代の読書についての史的,意味論的観点からの考察
山崎 隆広
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 51 巻 p. 141-159

詳細
抄録

本稿では,読書環境のデジタル化の進行がもたらす認識空間の変容について,歴史的,記号論的観点から分析を行う.まずコロナ禍に置かれた2020年上半期の日本の出版界の売上状況を確認した上で,電子書籍の黎明を〈アメリカのプログラム〉という概念を手がかりに歴史的に捉え返す.そして3つ目にアナログ読書からデジタル読書への移行をC・S・パースの記号論の知見などを手がかりに考察する.読書環境の変容を史的,意味論的観点から分析することで見えてくるのは,我々の〈他者〉意識の変容でもあった.

著者関連情報
© 2021 日本出版学会
前の記事 次の記事
feedback
Top