主催: 水文・水資源学会
大型降雨実験施設内に植栽したヒノキを用いて,樹冠通過雨の雨量・雨滴の時空間的な分布に対し,樹冠構造が与える影響について検討した.施設内に植栽した樹高9.8mのヒノキに人工降雨を与え樹冠通過雨を再現した.0.2mm転倒ます雨量計・レーザー雨滴計を用いて雨量・雨滴を測定した.測点は,幹中心から距離別に計32ヶ所を設定した.段階的に枝を切り上げながら4種類の樹冠構造で実験を繰り返した.林内雨について以下の3つのことがわかった.(1) 切り上げに伴う葉面積の減少により,林内雨量は増大した.(2) 切り上げに伴う樹冠厚の減少により,林内の大雨滴発生頻度は増大した.しかし樹冠縁付近では樹冠による被覆が減少するために,大雨滴の発生頻度は減少した. (3) 切り上げに伴う枝下高の上昇により,雨滴の 速度は大きくなった.