主催: 水文・水資源学会
乾燥・半乾燥地域の多くの国が発展途上国であり、急激な人口増加、経済活動により水需要が増加している。そのため、これらの地域において河川流出量を正確に予測することは大変重要であり、流域水文モデルの改良が求められている。乾燥・半乾燥地域で河川流出量の算定が困難である原因を明らかにすることは、今後の乾燥・半乾燥地域における河川流出量予測に役立つものと考えられる。
そこで本研究では、まず世界の大河川30流域において流域水文モデルの一つである陸面モデルにより算定された河川流出量のモデル間のばらつきを流域ごとに比較し、乾燥・半乾燥地流域において陸面モデルの河川流出量算定値のばらつきが大きいことを示した。次に、乾燥・半乾燥地域において陸面モデルを改良する際重点をおくべき要因を調べたが、陸面モデルの計算過程で土壌最下層への流出を考慮すると河川流出量が過小評価される傾向があることが分かった。