主催: 水文・水資源学会
降雨レーダ(PR)が計測している後方散乱は,地表面土壌水分や地表面の粗さによる影響を受ける.また,後方散乱係数はレーダの入射角度によっても影響される.これらの特性を利用して,地表面の季節変動を探ぐる試みが行われている.そこで本研究では,TRMM/PRの後方散乱係数のデータを利用して,土地被覆ごとの季節変動および10年間の経年変化を調査した.その結果,土地被覆ごとに明瞭な季節変化パターンを確認することができた.サヘルでは後方散乱係数と降水量との間に強い相関を見出すことができた.一方,アマゾンでは2ヶ月の遅れを伴う関係がみられた.10年間のトレンド解析では,増加傾向をみることができたが,同時に衛星高度変更の影響が示された.