抄録
2008年7月28日の都賀川事例に代表されるような豪雨は,局所的に突如として発生し,その後急速に発達するため,一般的に“ゲリラ豪雨”と呼ばれる.ゲリラ豪雨はレーダーで雨域が探知されてからごくわずかな時間で巨大な積乱雲となるため,運動学的手法・物理学的手法のいずれを用いても予測が困難である.本研究では,ゲリラ豪雨の予測を実現するための前段として,ゲリラ豪雨の発生メカニズム,特に,レーダーで探知し始める程度の段階である“積乱雲の卵”の大気状態について,レーダー情報を用い,電波の波長による感度の比較や時間・空間分解能の違いを比較することで解析を行った.