水文・水資源学会研究発表会要旨集
第22回(2009年度)水文・水資源学会総会・研究発表会
選択された号の論文の137件中1~50を表示しています
口頭発表
流域水管理・開発 (8月19日9:00~10:30)
  • 伊藤 学, 白井 勝二, 福成 孝三, 竹谷 公男, 吉川 勝秀
    セッションID: 1
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
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    我が国では、人口・資産の大半が堤防によって洪水被害から守られており、堤防が決壊した場合、多大な被害を受ける可能性がある。堤防の安全性について構造的な研究・議論はされているが連続的なシステム管理としてされていない。 本研究では、連続した堤防システムの安全性を実管理として、堤防の決壊に付随する要因(外力、治水能力、被害ポテンシャル等)から理論式により一般化することによって被害額の算出が可能となった。連続した堤防システムでの実際の安全評価として、既住の堤防決壊の実績把握を行なった。また、実績洪水時の水位と計画高水位・堤防天端高との関係と水理解析モデルによる流量規模の増加に伴う水位と天端高の関係それぞれを縦断的に示す事によって実際の堤防管理に対して評価を行った。さらに、堤防管理の安全性に影響を与える要因を挙げ整理した。
  • 長坂 丈巨, 中村 要介, 伊藤 学, 吉川 勝秀
    セッションID: 2
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
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  • 福成 孝三, 高田 敬規, 小尻 利治, 吉川 勝秀
    セッションID: 3
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
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    本研究は、総合流域管理の提案とその実流域での適用の結果を示すことを目的とするものである。総合流域管理で達成すべき目標として、_丸1_流域全体の水動態、_丸2_地域の水文化、_丸3_多様な視点からの水環境評価、の3項目を設定する。そして、治水、水利用だけではなく、生態系、親水性、景観のほか、歴史や行事に関連する水文化も評価項目(評価軸)として取り込み、地域社会・生活と連携した管理方式を提案するものである。このため、総合流域管理の定式化を行い、流域の水文化特性に応じた形での管理を実現するため、流域のゾーニングや多目的評価のレーダーチャートによる表現などの手法の提案を行い、分布型流出モデルを用いた流出解析と現地調査の結果をあわせて、具体の適用事例を示す。
  • 守利 悟朗, 沖 大幹
    セッションID: 4
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
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    都市流域における排水処理システムを対象として、CO2削減を目的とした排水処理システムの最適化が、処理水質に及ぼす副次的な影響を、ライフサイクルアセスメント(LCA)手法を用いて統合的に評価した。具体的には、流域水資源モデル(IWRES)を用いて、都市流域における流量変動及び水質特性等を算定すると共に、排水処理による水質改善効果について評価した。そして、水質改善の為の排水処理管理施策に伴い排出されるCO2及びコストまでを評価対象とし、都市流域での排水処理システムにおける水質、CO2排出量及びコストについて統合的に評価するシステムを構築し、排水処理管理施策の効果を推定した。得られた結果から、処理水質、CO2排出量及びコスト削減の効果等、種々の要因により変化する排水処理マネジメントの導入に際しては、対象とする流域の条件下において、このような統合的アプローチによる推定が重要であることが示された。
  • 丹治 肇, 桐 博英, 小林 慎太郎
    セッションID: 5
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
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    エネルギー供給とスマートグリッド技術の進歩を前提に,21世紀の水田灌漑システムの再編の条件を検討した.今後,化石エネルギーから自然エネルギーへの転換が起こり,灌漑システムでもエネルギーの自立性が求められよう.スマートグリッドの通信制御技術を効率的に使うために,水田灌漑システムは流水システムから貯水システムへの転換が必要になり,耕作放棄地を活用したラグーン等の設置が求められる.スマートグリッド技術を活用し,水循環を制御すれば,水利用の自由度が上がるとともに,生態系,水質問題の解決が可能である.また,ラグーンを揚水発電と組み合わせることで,灌漑システムのバッテリー利用も有望である.これらの改変で,農地面積は減少するが,発電等の使用料が農家の収入になれば,全所得の向上が可能になろう.
  • 沼津 晃洋, 原田 守博, 大森 美喜夫
    セッションID: 6
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
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     流域の都市化によって豪雨による洪水災害が頻発しており,雨水の急激な流出を抑制するために,流域内に流出抑制施設を建設する計画が策定されている.しかし,その建設には莫大なコストがかかり建設適地も限られるため,計画の進捗状況は芳しくない.そこで本研究では,流域に残存する水田を低コストで実現が可能な“流出抑制施設”として活用する方策を提案する.すなわち,実際の水田を用いた現地観測を通じて,水田の雨水貯留機能を評価するとともに,それを強化する方策を実証的に検討する.
雪氷水文学 (8月19日10:40~12:10)
  • 平林 由希子, Petra Döll, 鼎 信次郎
    セッションID: 7
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
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    本研究では、世界水資源アセスメントへの応用を目的とした全球氷河モデル(HYOGA)の開発を行った。HYOGAは陸面モデルなどと結合が用意な全球0.5度グリッドの構造で、鉛直解像度は50mであり、日単位の時間ステップで計算を行う。
    HYOGAは過去の氷河質量収支の気候値(長期平均値)のみにあうようにキャリブレーションしているが、1948年から2006年までの59年のシミュレーションにおける氷河の質量収支の年々変動も定性的に再現できていることが判明した。領域平均した氷河の質量収支は、南アメリカを除く全ての地域で1990年代に急激な負の変動傾向を示しており、また、全球の氷河質量収支は全てのシミュレーション期間で負の値(氷河の減少)を示していた。
  • 篠原 慶規, 小松 光, 大槻 恭一
    セッションID: 8
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
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  • 吉田 武郎, 増本 隆夫, 堀川 直紀, 工藤 亮治
    セッションID: 9
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
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    気候変動が将来の農業用水資源に及ぼす影響の予測を行うための第一歩として,新潟県関川流域を例として農地水利用を組み込んだ分布型水循環モデルと積雪・融雪モデルを結合し,貯水池地点での融雪時期と量の変化に着目し,比較検討した。現在および将来の2期間におけるMIROC3.2_HIRES(SRES-A1Bシナリオ)を3次メッシュに内挿した結果を用い,現行のダム運用規則下で灌漑期までに満水になるかを検討した。笹ヶ峰ダムの現行のダム運用規則では4月1日から5月31日までに少なくとも25,120千m3の流入量が必要であるが,計算された4月1日から5月31日までの平均流入量は1981~2000年には37,584千m3,2046~2065年には23,155千m3,2081~2100年には24,537千m3であり,将来の気候下における平均年には,現行の運用規則では6月1日までにダムが満水にならない可能性があることを示唆している。
  • 相馬 一義, ワン ユーチン
    セッションID: 10
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
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    ユーラシアの積雪が夏季東アジアモンスーンに与える影響は既往研究で指摘されており,それゆえ適切な積雪量の初期値を与えることは数値モデルを用いた季節予報において重要である.本研究では領域気候モデルを用いて,マイクロ波リモートセンシングにより得られた積雪水当量(SWE)推定値を用いたアンサンブル計算(SAT)と,スピンアップ計算によりSWE初期値を与えた計算(SPN)を行い,その結果を比較した.SATではSPNと比較して特に5月6月の中国南部と揚子江領域において降水の再現精度が向上し,SATでは2005年における中国南部の多雨と揚子江流域での渇水がよく再現された.このことから,季節予報においてもマイクロ波リモートセンシングによるSWE推定値の導入が有効な手段となりうることが示唆される.
  • 藤村 和正, 中嶋 悠太
    セッションID: 11
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
    会議録・要旨集 フリー
    山地河川流域を対象に開発された水循環モデルを用いて、北海道地方の石狩川上流大雪ダム流域と東北地方の最上川上流寒河江ダム流域を対象に長期流出解析を行うとともに、気温観測値を5℃まで上昇させた場合の流出シミュレーションを行った。対象期間は2002年6月から2008年12月までの6年半であり、100mグリッドの分布型計算で降水量、浸透量、直接流出量、積雪水当量、融雪量を算定し、流域集中型計算で洪水流出、地下水涵養、地下水流出を算定し、1時間単位の計算で進めた。 気温観測値を5℃上昇させた場合、大雪ダム流域と寒河江ダム流域では長期流出の変化に異なる傾向が現れ、北海道地方よりも東北地方の積雪流域の方が流出に大きな影響が及ぼすことが示唆された。
  • 西山 浩司, 脇水 建次, 遠峰 菊郎, 真木 太一, 鈴木 義則, 福田 矩彦
    セッションID: 12
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,西高東低の冬型気圧配置に発生する,雲頂温度が‐10度前後の過冷却積雲を対象にして液体炭酸用の簡単な雲物理モデルを構築し,氷晶の成長と軌跡を推定した.さらに,2008年1月17日長崎県北部で実施された人工降雨実験の結果と比較を通して,人工降雨効果を評価・推測する際の不確定要素についても考察した.その結果,実際に発生した人工と考えられるレーダーエコーの領域に近い地点に人工の氷晶が落下することがわかった.しかし,実際に人工降雨の効果を十分に評価または推測できるようにするためには,観測及び雲物理過程・力学過程に存在する不確定要素を十分把握し,モデルを改善していくことが重要である.
河川・湖沼 (8月19日13:30~15:30)
  • 栗林 大輔, 田中 茂信
    セッションID: 13
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
    会議録・要旨集 フリー
     本研究では、アジア各国の河川管理実務者にヒアリングを実施し、アジアにおける洪水ハザードマップ(以下、FHMと言う)の取り組みの現状について把握し、コミュニティベースでのFHMの利活用方策について考察を行った。
    その結果、各国ともFHMの「作成」に関しては、JICAなどのサポートを受けながらも一応のレベルに達していることがわかった。しかしFHMの「利活用」については、FHMに関してアジアの中で先進的である中国やマレーシアにおいてさえも、一般住民に対する配布は行われず、もっぱら行政関係者が使用するのみであり、いずれの国においても大きな課題であることもわかった。一方、我が国においては、コミュニティベースでFHMの作成を行い、防災意識の向上に成功している地域がある。今後はそのようなコミュニティベースでのFHM利活用に関する成功事例の要因を分析し、途上国にいかに普及させるかが課題である。
  • 鈴田 裕三, 木下 隆史, 吉川 勝秀
    セッションID: 14
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
    会議録・要旨集 フリー
     浸水想定区域図の作成は通常、精度の高い氾濫シミュレーションにより行われているが、はん濫計算の条件設定や計算方法が複雑なため、一般住民にとっては理解しにくい。そこで、住民が洪水を正しく理解し、的確な避難を行う一助となるよう、高度なはん濫計算を行わずに、一般に入手できる地形データ等を用いてはん濫流の挙動を簡易に推定する方法を試みた。本研究では、はん濫形態の違う利根川と新潟県の五十嵐川の洪水をとりあげ、はん濫流の挙動と地盤高の関係を詳しく分析するとともに、利根川の航空レーザー測量による微地形データから越水危険箇所を想定し、視覚的にわかりやすい三次元表示を行った。
  • 山崎 大, 沖 大幹, 鼎 信次郎
    セッションID: 15
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
    会議録・要旨集 フリー
    河川による陸域水循環は、気候システムの一要素、人間活動に必要な淡水供給システムとして、重要なプロセスである。地球規模での河川による水輸送過程を理解するため、約20 年にわたり全球河川流下モデルの開発がなされてきた。しかし既存の全球河川流下モデルの解像度は0.5 度に留まっており、水の流れを決定付ける詳細な地形情報を表現できなかった。そのため、ほとんどのモデルは河道を1次元に単純化しており、氾濫原における水面の広がりを再現できなかった。本研究では、超高解像度(約1km2)水文地形データから河道網と氾濫原の詳細地形情報を適切に抽出する手法を考案し、氾濫原の浸水過程を陽に表現する全球河川流下モデルを開発した。新たに開発したモデルはアマゾン川のような低平地流域での河川流量の再現性を大幅に向上させること、また氾濫原浸水面積の季節変動を妥当な範囲で再現できることを示した。
  • 杉原 大介, 高崎 忠勝, 岩屋 隆夫
    セッションID: 16
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
    会議録・要旨集 フリー
    空堀川は,東京北西部を流域とする流域面積26.8km2,法定延長15.0kmを有する荒川水系の一級河川である.空堀川は,湧水や下水道などの水源に乏しく,しばしば瀬切れが発生し,河川の維持流量確保の視点から問題となっている.瀬切れの発生場所は,武蔵野台地の開折谷という地形状条件下にあり,河床は礫層で構成されている.瀬切れ発生は,河床材料の影響を受けていると考えられるが,河床下の観測は十分に行われていない.このため,2008年1月から2009年3月の1年2ヶ月間,空堀川の中流域に位置する丸山橋観測所で,ストレーナーを用いて瀬切れ発生時の河床下の水の動きを観測した.本稿では,その結果について報告する.
  • アミラ シルバ
    セッションID: 17
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
    会議録・要旨集 フリー
  • 渡辺 直樹, 山根 総一郎, 相馬 聖二
    セッションID: 18
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
    会議録・要旨集 フリー
    近年局地的な集中豪雨により中小河川における河川氾濫被害が多発している。本研究では、横浜市の帷子川の元平沼橋水位観測所を対象とし、人工知能技術の一種である遺伝的プログラミングを活用して感潮河川の水位予測モデルを構築し、リアルタイムデータを用いた水位予測検証を行った。まず過去2年分の水位とレーダ雨量、天文潮位、風向、風速データを学習し、次に生成されたモデルを用いてリアルタイムの観測値と予報値を用いて水位予測解析を行った。検証の結果、潮汐及び降雨流出の両方の影響を含む水位を10cm以下の誤差で予測出来たことを確認した。
  • 早瀬 吉雄, 能登 史和
    セッションID: 19
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
    会議録・要旨集 フリー
    手取川流域を対象に,平水時の一斉採水から,山→川→水田→海へと水の流下過程での水質動態の解明を行い,水環境について考察した。上流山地域からの流出水のT-Nは0.2mg/L程度であり,白山頭首工地点で0.3mg/L,扇状地の潅漑用水源としては良好である。手取川扇状地においては,潅漑期のT-N値は,大部分で0.5mg/L以下であるが,町周辺の地下水のT-N値は1.9mg/Lで地表水よりも大きい。非潅漑期のT-Nは局所的には高いところもあるが,扇状地全体では,潅漑期より若干高い程度である。手取川流域では,年降水量が多いこと,流域面積に対する潅漑面積比が8.4%と少ないこと,扇状地が水田域・住宅地で汚濁負荷発生量が限定されているため,全国主要河川に比べて良好である。
  • 鳥井 宏之, 城戸 由能, 中北 英一
    セッションID: 20
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,雨天時に河川水系に流入する汚濁物質が降雨流出時および流出後の河川水質に与える影響を評価できるモデル用いて鴨川水系の下水道排水区域を対象として,雨天時に河川に流入する雨水量および汚濁負荷量を算定するとともに,対象範囲の河川河道部の水質解析を行った結果,無降雨時に河川からの沈降による河床間隙水中のT-N(総窒素)濃度の上昇,降雨流出開始後,流量増加するにつれて巻き上げによる濃度減少と河川水質濃度の上昇といった現象を再現できており,既存の降雨前後の河川水および河床間隙水の観測水質とほぼ同様の傾向を示している.ただし,観測事例が少ないため十分なモデルの精度評価を行うことができておらずこのモデルの再現性を観測に基づいて評価した上で,盆地水系全体の水・物質流動およびその収支の解析を進める.
蒸発散 (8月20日9:30~10:30)
気候変動・地球環境 (8月20日10:40~12:25)
研究グループ報告 (8月20日16:00~16:40)
リモートセンシング (8月21日9:00~10:30)
水文統計・PUB (8月21日10:40~11:55)
  • 許士 達広
    セッションID: 38
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
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    従来河川の計画では雨量や流量の年最大値を用いる毎年確率が用いられてきたが、毎年確率で使用されない年間第2位以下のデータの有効利用が従前から課題であった。近年河川整備計画において、降雨の毎年確率の適合度が低い場合の検討事項として非毎年確率が位置付けられ、非毎年確率の使用頻度が高まっている。超過確率を扱う極値統計学は、水文学以外にも海岸の波浪や地震、金融や保険などで用いられ、それらは通常ある閾値より大きいデータを非毎年確率で扱う、POT解析と呼ばれるものである。閾値は非毎年確率の確率値算定に大きく影響するが、良い算定方法が無く、非毎年確率の欠点として各分野で問題となっている。ここでは非毎年確率の閾値の課題と決定法について、プロッティングポジション、回帰、AIC,差の検定、推定値の分散等の手法を用いて解明し、考察する。
  • 近森 秀高, 永井 明博
    セッションID: 39
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
    会議録・要旨集 フリー
    気象状況の変化が河川の流況に及ぼす影響については,水利用や洪水制御などの影響があるため観測流量だけで評価することは難しい。ここでは,我が国における河川流域の標準的な流出特性を表すと考えられるタンクモデルを用い,このモデルに日本全国で観測された水文気象データを与えて得られた計算流量を基に,近年の流出特性の経年変化を数値実験的に調べ,水文気象条件の変化が河川の流況に及ぼす影響を検討した。全国156箇所の気象観測点における水文気象データを用いて流出計算を行い,各年の流況曲線の経年変化を調べた結果,流量が少なくなるほど流量の経年的減少の傾向が大きく,約70%の観測点で渇水量が20%以上減少することが示され,特に,瀬戸内地域,長野県周辺,北海道,南西諸島で50%以上の大幅な減少が見られた。
  • 葛葉 泰久
    セッションID: 40
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,LovejoyとSchertzerら(例えばLovejoy and Schertzer , 2007など)によって開発されてきたmultifractal model(モデル化の手法としては“連続型カスケードモデル”と呼ばれる.また,3つ程度に限定されたパラメータだけでモデル化されているので,“universal model”と呼ぶこともある)を用いて,降水量の時空間分布をモデル化する手法を検討してきた.モデルを用いる場面としては,メソスケール気象モデルの(降水量)アウトプットをダウンスケールする場面,治水計画において,対象降雨を生起させる場面,等を想定している.昨年度までは,時間分布を考慮せず,降水量の2次元的な分布が,この連続型カスケードモデルで再現可能かどうかについて検討してきた.本稿では,空間分布(2次元分布)に加え,時間分布を考慮した場合に,このモデルを用いて,降水量の2+1次元的な分布を生成する手法について検討した結果を報告する.
  • 河村 明, 岡元 宏薫, 天口 英雄, 中川 直子
    セッションID: 41
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
    会議録・要旨集 フリー
    Daily discharge data of marketable database at representative gauging stations of Class A river system were verified. Quite a few data input errors were found in the database. The error types were described in detail in the paper. Furthermore, daily discharge data of "Discharge Table" were also verified.
  • 木口 雅司, 沖 大幹
    セッションID: 42
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
    会議録・要旨集 フリー
    本論文では,世界および日本における雨量極値記録の出典や観測データを遡りその信頼度や不確実性を含め再評価した.世界の雨量極値記録に関しては,WMOやNOAA/NWSによって纏められているが出典が不明確なものが多く含まれていた.また論文内の値が現地気象局のデータと異なる事例や引用論文の記載内容に基づく解釈に問題がある事例も見られ,可能な限り修正・注釈を行った.日本の雨量極値記録に関しては,様々な書籍内で他官公庁や民間会社の観測を含む極値記録が記述されているが,誤記載や不確実性のあるデータが含まれておりその検証・修正・注釈を行った.さらに更新した極値リストを用いて,多くの場合短い(長い)時間スケールの極値は小さい(大きい)空間スケールの気象現象によることが確認されたが,一方で単に起因現象のスケールではなく豪雨をもたらすメソスケール現象として捉える必要があることが示された.
流出・地下水(1) (8月21日13:15~15:00)
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