主催: 水文・水資源学会
本研究では,山梨大学X-バンド二重偏波レーダーを用いて,2009年の観測開始から現在までのデータを収集した.そして,そのデータを解析することにより,降雨量情報推定に関する精度の検証,推定差に関する考察を行った.推定方法にはレーダーが受信する電力から算出される反射因子ZH,受信される位相情報から算出される伝搬位相差変化率KDPを用いた.その結果,KDPによる降雨量推定はZHのものに比べ降雨減衰の影響を受けにくかった.またアメダスとの比較より,9月4日において降雨量推定は高精度の結果が得られた.しかし,10月8日における推定精度はあまり良い結果ではなかったことから,KDPを用いた山梨県内における降雨量推定方法にはまだ課題があると考えられる.また,雨の降り方や強弱によっても推定精度にばらつきがあることがわかった.